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2026.09.08

IT開発費をJPYC決済。企業の経費利用にステーブルコインを使えるか

法定通貨の価格と連動し、送金手数料の削減や即時決済を可能にするステーブルコイン。その利便性が注目を集める一方で、これまでの実用例は個人の小口送金や単発のWeb3サービス利用が中心であり、企業の定期的な事業経費や受託開発といったBtoBの実務決済に組み込まれるケースは限られていたのが実情だ。法人の継続的な商取引や経理実務へいかにステーブルコインを浸透させるかは、デジタル通貨の社会実装における、次なる関門の一つとなっていた。
BtoB決済への適用拡大と利用シーンの多様化を目指し、受託開発や運用保守にステーブルコイン決済を導入する新たなアプローチが動き出した。2026年7月27日、Mi&T株式会社は自社が提供するITサービスの料金決済において、日本円建てステーブルコイン「JPYC」による支払いの受付を開始した。開発時の一括費用だけでなく、毎月発生する保守・運用費などの継続決済にも対応。大学発ベンチャーが踏み出したこの試みが、法人間取引におけるデジタル通貨の実用化を後押ししようとしている。(文=MetaStep編集部)

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開発費から月額保守まで。BtoB取引を網羅するJPYC決済

和歌山県を拠点に教育や研究、公共領域向けのシステム開発を手がけるMi&Tは、大阪公立大学発ベンチャー認定のITスタートアップだ。業務整理から要件定義、UI/UX設計、システム開発、保守・運用までを一気通貫で支援している。

2026年7月27日に発表された同社の取り組みは、自社が提供する対象サービスの利用料金について、日本円建てステーブルコイン「JPYC」による決済を可能にするものだ。個人向けサービスの利用料にとどまらず、法人向けシステムの開発費や保守費、運用サポート費など、幅広い支払いに対応した。

(引用元:PR TIMES

本対応の特徴は、単発の支払いだけでなく毎月発生する継続的な事業経費にもJPYCを利用できる点にある。法人や団体は、初期の開発費を一括で支払うだけでなく、月々の保守・運用コストをJPYCで決済する選択肢を得ることとなった。資金決済法上の電子決済手段として日本円と1:1で連動するJPYCの特性を活かし、日常的なサービス利用から企業のIT投資までをシームレスにつなぐ決済環境を整備した形だ。

企業の事業経費に組み込まれるデジタル通貨。法人間取引の新標準

Mi&Tによる今回の決済対応が示唆するのは、ステーブルコインの活用領域が「個人の小口決済」の枠を超え、企業の「事業経費や定期決済」という実体経済の基幹部分へと広がり始めたという事実である。

多くの企業間取引では、銀行振込の手数料や営業時間の制約、月締め処理の手間が日常的な業務負担となっている。この環境下において、ブロックチェーン上で24時間いつでも即時送金が完了し、低コストで日本円と等価交換できるステーブルコインがBtoBの決済手段として定着すれば、企業のキャッシュフローや請求管理の効率化に寄与することが期待できる。

また、この取り組みは「サービスを利用する人」と「サービスを開発・保守して支える人」の間で、デジタル通貨が継続的に循環するエコシステムの萌芽を示している。単に保有しているトークンを消費するだけでなく、事業活動の対価として受け取り、それを次の開発や運用費へと再投資する流れが生まれれば、実体経済における通貨としての流通性は一段と高まっていくはずだ。

ステーブルコインの活用は、単に「支払い方法の選択肢を一つ増やす」という域を脱し、企業の商習慣や取引インフラをアップデートする段階に入りつつある。Mi&Tが提示したBtoB決済のモデルは、日本円ステーブルコインがビジネスの現場に深く定着するための実践的な先行事例となるだろう。

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