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2026.08.31

日本円コインを身近に。JPYCのAPI連携

低コストな送金手段として実用化が進む日本円ステーブルコイン。その利便性が注目される一方で、暗号資産やブロックチェーンの世界では従来、資産の取得や換金のたびに外部プラットフォームを行き来しなければならず、その煩雑な操作性がユーザーを遠ざける要因となっていた。普段利用するサービスの中で手続きを完結できないという不便さは、デジタル通貨の社会実装における高いハードルだったのが実情だ。
こうした利用体験の分断と手続きの煩雑さを解消すべく、外部サービスと発行・償還機能をつなぐ新たなアプローチが動き出した。2026年7月、JPYC株式会社はウォレットアプリや各種サービス向けの接続機能「JPYC EX連携API」の提供を開始した。シンプレクス株式会社が開発・実装を支援し、株式会社HashPortの「HashPort Wallet」は導入事例として連携が予定されている。普段利用しているアプリを起点に、JPYC EX上の手続きへ迷いにくく進める環境の整備が、日本円ステーブルコインの実社会への浸透を後押ししようとしている。(文=MetaStep編集部)

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外部アプリから直接交換。HashPort連携で実現するスムーズな導線


(引用=PR TIMES

JPYC社が提供を開始した「JPYC EX連携API」は、外部のウォレットアプリや各種サービスから、同社が運営する発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」の手続き画面へスムーズに誘導するためのAPI群だ。実装においてはシンプレクスが開発パートナーとして技術支援を行った。
本APIを導入したサービスでは、利用者がアプリ内の導線に従うだけで、JPYC EXへのログインやアカウント連携、ウォレットアドレスの登録補助などをスムーズに進められる。発行や償還の手続きが完了した後のステータスも連携されるため、画面を何度も行き来するストレスを感じることなく一連の処理を完結できる点が特徴だ。

(引用=PR TIMES

また、本連携は利用者の利便性を高める一方で、金融機能としての安全性も維持されている。連携先事業者が発行・償還の申込受付や取引確定を代行するのではなく、法的な審査や追加認証、最終的な受付判断は従来通りJPYC社が直接行う設計を採用。コンプライアンスを担保した上で、操作体験のみを向上させる仕組みを整えた。
導入事例として、HashPortが提供するweb3ウォレットアプリ「HashPort Wallet」との連携が予定されている。

(引用=PR TIMES

これにより、利用者はウォレットアプリを起点にJPYC EXへアクセスし、認証や手続きを行った上で、そのままウォレット内でJPYCの受取確認や送金操作へ移行することが可能となった。

(引用=PR TIMES

APIが拓くステーブルコインの日常化。実体経済を支える新基盤

なお、現在のJPYCは、資金決済法上の「電子決済手段」に位置づけられる資金移動業型ステーブルコインで、日本円の預貯金および国債を裏付け資産とし、1円と1対1で価値が連動するよう設計されている。JPYC EXは、利用者が自身のウォレットで資産を管理するノンカストディ型の発行・償還サービスである。
JPYCによる今回のAPI提供が示唆するのは、ステーブルコインの役割が「Web3領域に閉じた取引手段」から「実体経済を支える決済インフラ」へと本格的に拡張し始めたという事実である。
ブロックチェーンを活用した決済手段が一般に浸透しづらい大きな要因の一つに、専用サイトへの遷移やアドレス入力といった手続きの煩雑さがあった。しかし、APIを介して日常的に利用するアプリの中に交換機能が組み込まれれば、利用者は専門知識を意識することなく、自然な流れで日本円とステーブルコインを行き来できるようになる。
さらに、この仕組みは個人のウォレット利用にとどまらず、地域通貨や企業のポイントプログラム、法人間決済SaaSなどへの応用にも道を開く。多様な事業者が自社サービス内に「日本円ステーブルコインの出し入れ口」を容易に構築できるようになることで、デジタル通貨が使われる場面は大幅に広がっていくだろう。
公式発表では、想定利用先として、ノンカストディアルウォレット、ステーブルコイン決済を導入するアプリ・サービス、地域通貨・ポイント・会員基盤、web3・デジタルコンテンツサービスが挙げられている。APIの役割は、発行・償還そのものを連携先に委ねることではなく、JPYC EXへのログイン・アカウント連携、手続き画面への導線、ウォレットアドレス登録補助、手続き後のステータス連携を提供する点にある。
Web3技術の実装は、単体のプラットフォームで完結する形から、既存のデジタルサービスとシームレスにつながる形へと進化を遂げている。JPYCが提示したAPI連携は、日本円ステーブルコインが日常の決済インフラとして社会に根付くための明快な道筋を示すものとなりそうだ。

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