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2026.08.27

空間を共有し、建てる。住宅営業の3D革命

多くの人にとって人生で最も大きな買い物となるマイホーム。しかし、平面の図面や小さな壁紙のサンプルだけで理想の空間をイメージするのは難しく、「想像と違った」という後悔や、言った言わないのトラブルも少なくない。この住宅業界の長年の課題を、デジタルツイン技術を用いた空間データの共有が解決する。自宅のリビングにいながら、家族と理想の家を仮想空間でシミュレーションする。顧客と営業のコミュニケーションを変革し、次世代の住宅づくりを牽引するテクノロジーの現在地を探る。(文=MetaStep編集部)

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3Dで壁紙を試着。空間コメントで齟齬を防ぐ

2026年7月、空間データ活用プラットフォーム「スペースリー」を運営する株式会社スペースリーは、住宅内覧用の3Dウォークスルーコンテンツに「カラーセレクト機能」と「空間内コメント機能」を追加したと発表した。

同社のシステムは、CAD(設計)データをドラッグ&ドロップするだけで、わずか15分程度で高品質な3D住宅コンテンツを自動生成できる点が特徴だ。特別な専門知識や高スペックのパソコンは不要で、発行されたURLをスマートフォンやタブレットで開くだけで、軽快に仮想空間を歩き回ることができる。

(引用元:PR TIMES

今回追加されたカラーセレクト機能は、この仮想空間の壁紙や床、天井などのデザインを、消費者自身が自由に変更しシミュレーションできるものだ。従来のように小さなサンプルから空間全体を想像するのではなく、自分たちの新しい家の3Dモデル上で「試着」するように色合いを確認できる。

もう一つの目玉である空間内コメント機能は、3D空間内の任意の場所に付箋を貼るようにメモを残せる機能だ。「ここの壁紙を変えたい」「この棚の高さを調整してほしい」といった要望を、空間上の具体的な位置に紐付けて事業者に伝えることができる。LINEなどのメッセージと異なり、言葉だけでは伝わりにくいニュアンスを正確に共有し、対応漏れや「言った、言わない」のトラブルを未然に防ぐタスク管理ツールとして機能する。

これまでの継続的なアップデート展開のプロセスにおいて、スウェーデンハウスやタマホームといった大手ハウスメーカーでの導入が着実に進んでおり、住宅の営業現場で確かな成果を上げている。

顧客体験と生産性を両立する、空間データの価値

注文住宅の営業プロセスにおいて、間取りや内装の決定には膨大な時間がかかる。顧客はショールームへ何度も足を運び、膨大なサンプルの中からデザインを選ぶが、空間全体のイメージをつかめないまま見切り発車で決断してしまうことも少なくない。また、営業担当者にとっても、顧客の曖昧な要望を汲み取り、設計担当者へ正確に伝達する作業は非常に属人的で手戻りが発生しやすい。

しかし、スマートフォンからいつでもアクセスできる3Dモデルと、そこに直接コメントを残せるシステムがあれば、状況は一変する。顧客はショールームでの打ち合わせを終えた後、自宅のリビングで家族と3D空間を歩き回りながら壁紙の色を試行錯誤できる。変更の要望や疑問点があれば、その場で空間上にコメントを残すだけでよい。

顧客にとっては、自分たちのペースで納得いくまで家づくりを検討できる最高の顧客体験となるだろう。一方で事業者にとっても、打ち合わせ時間の短縮や顧客の要望の正確な把握、社内での情報共有の円滑化といった劇的な生産性向上をもたらす。さらに、顧客がどの部屋を長く見ていたかといったデータを「追客と顧客分析」に活用し、最適なタイミングでアプローチできる点も、デジタルならではの強力な武器だ。

仮想空間は、現実の建物を建てる前段階の「テスト環境」として最も適したフィールドと言える。空間データを介して顧客と事業者がシームレスにつながり、理想の住まいを築き上げる。このテクノロジーがもたらす高い納得感と効率化は、住宅業界のビジネスモデルを次なるステージへと力強く引き上げていくはずだ。

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