郵便受けに届く色鮮やかなパンフレット。あるいは、スマートフォンの画面を流れるPDF資料。これまでの入試広報において学校の魅力を伝える手段は、完成された情報を一方的に「提供」することに限定されていた。しかし、生まれた時からデジタル空間を遊び場として育ってきたZ世代やα世代にとって、受動的な情報の消費はもはや日常のリアリティとは程遠い。彼らが求めているのは文字や画像による説明ではなく、その世界に自ら足を踏み入れ、他者と関わりながら手触りを感じられる「体験」そのものである。
2026年2月27日、株式会社モンドリアンが提供を開始した教育機関向け新パッケージ「Digital Campus in Fortnite / Roblox」は、この教育現場のコミュニケーションを根本から作り直すものだ。メタバース上に構築された「育つ校舎」は、広報のあり方を塗り替えるだけでなく、学生たちの創造性を解き放つ新たな学びの舞台になろうとしている。(文=MetaStep編集部)

(引用元:PR TIMES)
モンドリアンは2026年2月、Fortnite(フォートナイト)およびRoblox(ロブロックス)を活用した教育機関向けパッケージ「Digital Campus in Fortnite / Roblox」の提供を開始した。本パッケージの核心は、校舎やキャンパスを単に3Dモデルとして再現するにとどまらず 、学生や卒業生が主体となって空間を拡張し続ける「UGC(ユーザー生成コンテンツ)型」の運用を前提としている点にある。
すでに実務的な成果は現れている。立命館アジア太平洋大学(APU)では、世界170の国と地域に広がる卒業生がアクセス可能な“いつでも帰れる母校”をRoblox上に構築。制作プロセスには学生のeスポーツ部員が参画し、自律的にキャンパスをアップデートしていく産学連携モデルを実現した。
(引用元:PR TIMES)
また、東京モード学園ではFortnite上に象徴的な校舎を再現し、学生が制作した3D衣装を展示するデジタルファッションアワードを開催するなど、最先端のクリエイティブ教育の場として活用されている。
(引用元:PR TIMES)
外注によって完成品を納品する従来のモデルとは異なり、本パッケージは学生が制作に参加する教育プログラムを内包している。プログラミングや3Dモデリングを実地で学びながら、自らの学び舎をデジタル空間に築き上げる。このプロセスそのものが、次世代の産業界で求められるスキルを養うための実践的なアクティブラーニングとして機能しているのである。
デジタルキャンパスの普及は、教育機関の価値が「特定の場所での教育」から「デジタル上での永続的な繋がり」へと移行しつつある現状を物語っている。
オープンキャンパスや学校案内が、特定の期間や媒体に縛られることなくメタバースという常設の生活圏へと移行することで、志望者はいつでもアバターを通じて在校生と交流し、キャンパスの日常的な空気感に触れることができる。情報の提供から「居場所の提供」への転換は、志望者の学校に対する帰属意識を入学前から醸成するための強力な手段となるはずだ。
また、老朽化した旧校舎の保存と、未来のキャンパス構想を同一空間に共存させられる点は、デジタル空間ならではの利点である。卒業生が「いつでも帰れる場所」をオンライン上に維持し続けることは、同窓会活動の活性化や寄付文化の醸成を支える、学校経営にとっての重要なデジタル資産となるに違いない。
メタバースは単なる遊びの場を超え、教育機関が学生や社会と長期的な信頼を築くための基盤を確立しつつある。モンドリアンが提示した共創型のキャンパス構築モデルは、教育と広報の境界を溶かし 、学校という組織をデジタル空間へ解き放つ力となるだろう。画面の中に広がる「もう一つの母校」が、次世代の学びのあり方を教育の現場から力強くアップデートしていくことが期待される。