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2026.04.16

ソニーが拓くXR新時代 創造力が体験の限界を超える

Web3・メタバース・XRの社会実装とビジネス活用はいまどこまで進んでいるのか。当連載「未来を導く知の羅針盤」では、業界を牽引する経営者・専門家など、有識者16名の証言から、その現在地と未来の可能性を探る。

※本記事は『MetaStep Magazine』に掲載した記事を再掲載したものです。その他の記事は冊子でお読み頂けます。

ソニー株式会社 ニューコンテンツクリエイション事業部
XR事業部門 部門長
鈴木 敏之さん

ソニーについて
ソニーは、「テクノロジーの力で未来のエンタテインメントをクリエイターと共創する」ことをミッションとし、
エンタテインメント・テクノロジー&サービス事業を展開。2025年には空間コンテンツ制作支援ソリューション「XYN™」を発表。
独自のイメージング技術を活かした現実空間の高精度キャプチャや直感的な3DCG制作を可能とし
多様な領域で新たな表現の可能性を切り拓いている。

現実世界と仮想空間をシームレスに繋ぐXR。その最前線を牽引するのが、ソニーの空間コンテンツ制作支援ソリューション「XYN™(ジン)」だ。ソニー XR事業部門 部門長 鈴木敏之さんはこう語る。

「XRという言葉が独り歩きしていますが、本質は『体験そのもの』をどう変えるかにあります。私たちは『現実を再現する』だけでなく、新たな価値を加えたいと考えています」。

「XYN™」はソニーのイメージング、センシング、ディスプレイ技術を結集し、現実空間を高精度にデジタル化。映画、アニメ、ゲーム、産業など、3DCG・XR制作を革新するソリューション群だ。例えば「XYNMotionStudio」はモーションキャプチャーから編集、クラウド活用まで一括で行えるPCアプリケーションで幅広いクリエイターがモーションデータを簡単に扱えることを目指している。制作工程を大幅に短縮することで、クリエイターがより創造的な業務に専念できる環境を提供する。さらに裸眼で高精細な3D表示を可能にする「空間再現ディスプレイ」や、4K OLED搭載XR ヘッドセットも、表現の幅を広げている。

3DCGアセットやモーション制作の効率化と品質向上を実現。制作工数削減も可能に

「産業領域でもXRの意義は大きい。例えば製造業では、CADデータをVR空間で立体的に確認し、実寸大で操作しながら修正できる。こうした取り組みは設計や意思決定のスピードを高めます」(鈴木さん)。

その代表例が、シーメンスとの没入型エンジニアリングソリューションだ。ソニーのXRヘッドマウント・ディスプレイと、シーメンスの3D CADソフト「NXImmersiveDesigner」と連携し、設計現場でのリアルタイムコラボレーションが可能となり、設計時間を最大30%短縮したという。

「重要なのは、技術を『使うこと』自体が目的化しないこと。ユーザーが直感的に使え、創造性を高められる道具であるべきだと考えています」(鈴木さん)。鈴木さんが見据えるのは、単なる技術の高度化ではない。現実と仮想をつなぐ空間表現を通じ、製造業、エンタメ、教育、医療など多様な分野に変革をもたらすことだ。

「ソニーの映像やセンシングの強みを掛け合わせ、これまで不可能だった体験を提供したい。それがXR事業に挑む理由です」(鈴木さん)。

技術の先にある「人の体験」を見据えるソニーの挑戦は、XRをビジネス実装の領域へ導き、未来の競争力を築きつつある。

ミラーレス一眼カメラで撮影した画像と独自アルゴリズムを用いてフォトリアルな3DCGアセットを自動生成する「XYN空間キャプチャーソリューション」を開発中

(素材提供:ソニー)

ー 日本再興のヒント ー
技術を超えた体験の革新が、XR活用の未来を拓きビジネスを変える