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2026.10.27

3Dから2D図面を自動生成。設計DXの波

3D CADによる設計が普及する一方、製造現場では依然として2D図面が必要とされている。その作成に伴う定型作業は、設計者の工数を圧迫する要因の1つだ。こうした作業を効率化し、設計者がより付加価値の高い業務に時間を充てられる環境づくりが求められている。
3Dモデルから各社の製図基準に沿った2D図面を数分で生成する技術は、設計業務の効率化や図面品質の標準化にどのような可能性をもたらすのか。(文=MetaStep編集部)

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2D図面を数分で自動生成。個社の流儀にも対応するAI

2026年8月31日、独自の3D形状解析技術とAI技術を活用し、製造業向けソフトウエアを開発・提供する株式会社WOGOは、機械設計向けAI自動製図ソフトウエア「Hacadly(ハカドリー) 2D自動製図」の先行提供を開始した。

現場では3D CADによる設計が定着する一方で、加工先への手配や検査には依然として2D図面が欠かせない。そのため、設計者には3Dモデルから2D図面を作成する「図面バラシ」と呼ばれる作業が残っている。外部調査によると、エンジニアは工数の約3分の1を非付加価値作業に費やしている(※1)。また、ミスミの「meviy」では、部品1点あたりの2D図面作成に30分かかると仮定した試算も紹介されている。WOGOが支援する現場でも、製図関連の作業に設計者の工数の3〜5割が割かれているケースがある。

(引用元:PR TIMES)

今回提供されたソフトウエアは、3Dモデルに基準面などの情報を与えるだけで、加工に必要な寸法、公差(※2)、注記、表題欄までを自動で配置し、1図面あたり数分で生成する。手作業で起こりがちだった寸法の記入漏れを起きにくくすることで、確認の手間を軽減させる仕組みだ。

操作は、CAD上で①3Dモデルを指定し、②基準やルールを選択し、③自動生成を実行する3ステップで完結する。特筆すべきは、会社ごとに異なる寸法の入れ方、いわゆる「個社の流儀」を描き分けられる点だ。穴の中心を基準にするか、面を基準にするかといった各社の製図基準をシステムに落とし込めるため、自社の書き方に合わせた実用的な図面を出力できる。まずは板金・切削部品から対応し、今後は製缶品などの複合品へ拡張していく方針だ。

(※1)Tech-Clarity社調査、2014年・製造業248社
(※2)機械部品を加工する際に許容される寸法の誤差範囲

製図の自動化で変わる設計現場。図面自動化が拓くものづくりの未来

今回の取り組みは、設計者の定型作業にかかる負担を軽減し、より付加価値の高い業務に時間を充てられる環境づくりにつながる可能性がある。

日本の製造現場が人手不足に直面する中で、設計者が図面作成などの定型作業に多くの時間を費やしていることは、設計業務の効率化を進める上での課題となっている。これまでもCAD標準の自動機能は備わっていたが各社の製図基準に対応できず、二重寸法が発生するなどによって手作業での修正が必要になる場合があった。各社が長年培ってきた製図ルールをシステムに反映し、それぞれの基準に沿った図面を自動生成できる点は、製図業務の標準化を進める上でも意義がある。

企業がこの技術を自社の設計業務に活用する上では、作業時間の短縮だけでなく、蓄積されたノウハウを形式知化する機会として捉えることも重要だ。多くの現場では、寸法や公差の入れ方が担当者の経験に依存している場合、製図業務の属人化が進み、技術やノウハウの継承が課題となることも考えられる。製図ルールをシステムに反映するために整理する過程は、組織内に散らばる設計思想を棚卸しし、標準化を進める契機となる。

さらに、図面作成にかかる工数を削減できれば、設計者が製品の仕様検討や設計品質の向上など、より付加価値の高い業務に時間を充てられる可能性がある。3Dデータを起点として設計から製造までの流れをシームレスにつなぐ環境が整えば、開発サイクルの加速も期待できるだろう。

図面作成の自動化は、手間の削減にとどまらず、日本のものづくりが培ってきた競争力を次の世代へ継承するための足がかりとなるはずだ。

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