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2026.10.22

弘道館・偕楽園を仮想空間に再現。企業と学生の新接点

自治体や企業のメタバース参入が進む中、仮想空間への集客や、利用者との継続的な関係構築が課題の1つとなっている。精巧な3D空間を構築しても、ユーザーが集まる動線や地域への愛着、ビジネスの実利へ結びつける体験設計が欠けていれば、一過性の展示にとどまってしまうのが実情だ。先端技術を地域の活力へ転換できないまま、形骸化する事例は少なくない。
こうした中、人気ゲームタイトル「Fortnite」を活用し、地域の魅力発信と企業・学生間の交流を組み合わせたイベントが企画された。2026年8月28日、いばらきeスポーツ産業創造プロジェクト推進協議会が主催し、株式会社GamingVが運営を担う「いばらきeスポーツリーグ2026(メタバース編)」が開催された。茨城県水戸市の弘道館・偕楽園を再現した仮想空間で県内企業と学生がチームを組んで協力する試みが、メタバースの新たな社会実装モデルを提示しようとしている。(文=MetaStep編集部)

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弘道館と偕楽園をFortnite上に再現。企業と学生がチームで協力


(引用元:PR TIMES)

GamingVが運営を担った本イベントは、茨城県内に拠点を持つ企業・団体と、県内外の学生が仮想空間上でチームを組み、人気ゲームタイトル「Fortnite」を通じて交流するオンライン企画だ。

対戦の舞台となったのは、水戸市を代表する歴史的観光資源の「弘道館」および「偕楽園」を再現した仮想空間である。空間内にはメロンや干し芋などをモチーフとした茨城ならではのアイテムスキンも用意。ゲームを通じて若年層が地域の魅力に触れられる環境が整えられた。

(引用元:PR TIMES)

本企画の特徴は、企業と学生をつなぐ独自の設計にある。仮想空間内へのロゴ掲出による企業PRに加え、チームをランダムに編成することで、企業の参加者と学生が同じチームで協力してプレイする環境を創出。企業説明会とは異なり、ゲームを通じた交流から相互理解を育むことを目指している。

(引用元:PR TIMES)

また、バーチャルな体験をリアルの地域産品へと着地させる工夫も施された。上位入賞チームへの賞品として、1位に常陸牛、2位に結城紬の名刺入れ、3位に笠間焼を用意。食と工芸の両面から茨城の文化を知る機会につなげる狙いだ。さらに、当日はFortnite公式キャスターのトンピ?氏や人気ストリーマーのゼラール氏が出演し、進行と実況を通じて熱気あふれる交流を演出した形だ。

(引用元:PR TIMES)

「空間を作るだけ」からの脱却。関係人口を創出するメタバースの解

茨城県とGamingVの取り組みで注目されるのは、既存のゲームプラットフォームを活用し、地域の観光資源の発信と参加者同士の交流を組み合わせている点だ。

自治体が独自のメタバース空間を構築する場合、公開後も継続的に利用者を集めることが課題となる。一方、Fortniteのように既存のユーザー基盤を持つゲームプラットフォームを活用することで、新たな利用者との接点をつくりやすくなる。今回のように、人が集まる巨大なプラットフォームへ地域資源を持ち込む手法は、地域の過疎化を防ぐ合理的な選択肢となるだろう。

また、名所を歩くだけのバーチャル観光にとどまらず、「社会人と学生がチームで協力する」という体験を組み込んだ点も示唆に富む。アバターを介して共通の目標へ向かう過程は、世代や立場の垣根を払い、心理的な距離を縮めるものだ。この体験は、若者にとって地方企業を知る自然な採用接点となり、地域への親近感を育む契機にもなる。さらに、入賞賞品に特産品を据えた動線も、デジタル上の熱量をリアルの消費や現地訪問へと還流させる循環を生み出すことにつながるはずだ。

メタバースの真価は、「人々の関係性を編み直すインターフェースとなり得るか」という点にある。GamingVが提示したこのモデルは、地方創生や採用活動において、技術を成果へ結びつけるための確かな一歩となるだろう。

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