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2026.09.25

限られた空間を巨大迷宮へ。特許技術のVR

VRゴーグルを装着すると、そこは全長1キロメートルに及ぶ底知れぬ恐怖の迷宮。しかし実際に歩き回っているのは、限られた商業施設のほんの一角にすぎない。日本発のホラーと最新のXRが融合し、海をわたって中国・上海へと展開している。空間を自在に拡張するエンターテインメントの力で、都市のど真ん中に巨大な非日常が出現する時代がやってきた。(文=MetaStep編集部)

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日本発のVRホラーが上海へ。空間を拡張する特許技術

2026年8月、次世代のテーマパーク創出を目指す株式会社ABALは、富士急行株式会社と共同製作したVRホラーアトラクション「戦慄迷宮:迷」が、中国・上海のグローバル・ハーバーにて絶賛開催中であると発表した。本イベントは、日本発のアニメや映画をアジア市場へ展開するEVOLUTION ENTERTAINMENT社が主催し、WAKUDOが運営として同年6月下旬から海外での運用がスタートしている。

(引用元:PR TIMES)

このアトラクションは、2003年の開業以来530万人以上を恐怖に陥れてきた富士急ハイランドの人気施設「戦慄迷宮」の世界観を受け継いだ完全オリジナル作品だ。日本では金沢・大阪・岡山での巡回開催を経て、多くの来場者から高い評価を獲得している。現在は東京タワー、ひらかたパーク、イオンモール岡山で開催されている。

(引用元:PR TIMES)

本アトラクションを支える技術が、ABALが独自に開発した特許技術を用いたロケーションベースXRプラットフォーム「Scape®」である。最大の特徴は、限られた現実空間を仮想空間によって無限に拡張できる点にある。会場となるわずかな現実のスペースが、VRゴーグルを通すことで、8フロア・全長1キロメートルに及ぶ世界最大級のバーチャル迷宮へと瞬時に姿を変える。

さらに、参加者が拡張された仮想空間内を自分の足で自由に歩き回れるフリーローム型の没入体験を実現している。VR内での出来事をその場で写真や動画として記録し、体験終了後に即座にSNSへ投稿できる機能も備わっており、デジタル技術とバイラルマーケティング(※)を巧みに連携させた次世代のエンターテインメントとして進化を遂げている。

(※)バイラルマーケティング=SNSや口コミを通じて、ユーザーからユーザーへ情報が広がることを活用したマーケティング手法を指す

都市の限られた空間を拡張。仮想が創る次世代テーマパーク

地価の高騰と限られたスペース。これは東京に限らず、上海をはじめとする世界の主要都市が共通して抱える課題である。大都市の中心部で人々を熱狂させる新たなアトラクションを提供しようとすれば、大規模なスペースの確保が必要となる。しかし、現実の空間を仮想的に拡張するプラットフォームの登場は、こうした物理的な制約に対応する選択肢の一つとなる。

商業施設の空きテナントや催事場といった限られたスペースであっても、最新のXR技術を導入するだけで、息を呑むような巨大なテーマパークへと書き換わる。大掛かりなセットの建設を必要とせず、ソフトウエアの力だけで空間の価値を何十倍にも引き上げることができるのだ。これは、スペースの確保に悩む都市部の不動産活用において革新的なアプローチと言える。

さらに、空間のデジタル化はコンテンツの機動力を劇的に高める。物理的なアトラクション設備を海外へ輸出するには莫大なコストと現地での建設期間が必要だが、VRであればデータの共有と機材の設置だけで、質の高い日本のエンターテインメントを世界中へ展開できる。

体験者が仮想空間の中で自ら写真を撮り、それをSNSで共有するという導線が組み込まれている点も現代的だ。参加者一人ひとりが感動を拡散するメディアとなり、都市の小さな一角で生まれた熱量がオンラインを通じて国境を越えて波及していく。

テクノロジーが空間の概念を塗り替え、あらゆる場所を非日常の舞台へと変える。仮想と現実が複雑に絡み合う新たなエンターテインメントの形が、都市の風景をより刺激的で魅力あふれるものへと変貌させていく。

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