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2026.08.04

デジタルと現実の両輪で、個人のアイデンティティを「残る価値」に

デジタル空間に溢れる無数の画像。その一つひとつには、本来、作り手の微細な感情や思考が宿っているはずだ。しかし、それらの表現が投稿されるとあっという間にタイムラインを流れ去り、一過性の反応だけで消費されてしまう現状は、クリエイターの自立、経済的な基盤構築を阻むものであった。個人のアイデンティティを、どうすれば「残る価値」にできるか。いま鋭く問われている。
2026年6月3日、合同会社CLOSM(カローサム)がSNSサービス「CLOSM i(カローサム アイ)」に実装した新機能は、この課題にWeb3の領域から一つの回答を指し示した。数学とアートを融合させた独自の表現を、NFTとしてブロックチェーンに刻み、同時にリアルなプロダクトとして現実世界へ送り出す。デジタルと現実の両輪で個の価値を証明するこの試みは、「自己受容の手段」としてのクリエイターエコノミーをいかに支えるのか。(文=MetaStep編集部)

現実と仮想を越境。グッズ化とNFT化の同時実装


(引用元:PR TIMES

2026年6月にベータ版として公開された新機能は、ユーザーがCLOSM i上で紡ぎ出した「数学×アート」の作品(Emotion)を、即座に多角的な価値へと変換する仕組みだ。その中核は、現実世界に向けた「グッズ化」と、デジタル空間に向けた「NFT化」の二段構えにある。

まずグッズ化機能においては、GMOペパボ株式会社が運営するオリジナルグッズやアイテムの作成・販売サイト「SUZURI」と連携。第一弾として、日常的に持ち歩くオリジナルスマホケースへの製品化を実現した。これにより、画面の中だけに存在していた個人の表現が、手触りを持つ実体として日常に溶け込むことになる。

(引用元:PR TIMES

一方、NFT化機能では、ウォレットを接続することで自らの作品をブロックチェーン上にミント(発行)し、OpenSeaなどの主要マーケットプレイスで取引可能なデジタル資産として流通させる。活動スタイルに合わせた3つの新料金プランも導入。PolygonやBase、そしてEthereumといった複数のチェーンに対応している(プランによって利用可能なチェーンは異なる)。

(引用元:PR TIMES

特筆すべきは、同サービスが持つ「親子機能」とNFTの相乗効果だ。ある作品に触発された他のユーザーが派生作品を生み出した際にも、ブロックチェーン上の記録によって、すべての源流(オリジナル)が誰であるかを永続的に証明できる。この系譜の可視化は模倣や埋没を防ぎ、個人の創造性を尊重し合うコミュニティの土台を技術的に担保するものだといえる。

(引用元:PR TIMES

オリジナリティの本質的な価値を守り育てる。Web3が支える新たな自己受容の形

CLOSM iによる今回の機能拡張が示唆するのは、個人の内面表現が「消費されるコンテンツ」から「蓄積される資本」へ移行したというパラダイムシフトだ。

従来のSNSにおける「いいね」や「コメント」といった反応は、その場限りの評価にとどまることが多かった。しかし、自身の感情を投影した作品が、NFTという唯一無二のデジタル資産や、手元に届くリアルな物品へと変換されるプロセスは、自己の表現が「社会的に認められる価値」として固定化される体験をもたらす。この価値のストック化は、クリエイターの自己肯定感を高め、創作活動を継続するための強力な推進力となるだろう。

また、親子機能による創作の連鎖をNFTで裏付けることは、単なる利益の追求を超えた「他者へのリスペクト(敬意)」を構造化する試みでもある。自身の表現が他者に影響を与え、その系譜がデジタル上の資産として正当に評価される。こうした仕組みは、情報のコピーが容易なデジタル時代において、オリジナリティの本質的な価値を守り抜くための有効な防衛線となるはずだ。

Web3の真価は、技術そのものの新しさではなく、いかに個人の存在価値を多層的に増幅させるかにある。直感(右脳)と論理(左脳)を統合し、それをデジタルと現実の資産に変えるCLOSM iのエコシステムは、ありのままの自分を価値に変える新しい社会のあり方を提示しているといえるだろう。