駅のポスターにスマートフォンをかざし、特典を受け取って次の目的地へと向かう。イベント体験の裏側で、最新のWeb3技術が稼働している。
企業がイベントを開催して集客を行う際、参加者が「どこから来て、どのような経路をたどって会場へたどり着いたのか」を正確に把握することは難しい。
ここにブロックチェーン技術を用いて参加者の「足跡」をデジタル資産として記録する新たなサービスが導入された。人々の行動履歴を客観的なデータとして蓄積する仕組みは、企業と消費者の関係性をどう変えていくのだろうか。(文=MetaStep編集部)
2026年5月14日、企業のNFTマーケティングを支援するSUSHI TOP MARKETING株式会社は、東京・お台場などで開催された次世代型イベント「THE SUNSET OF MARS」において、NFTデジタルスタンプラリーおよびNFTデジタルガチャシステムを提供したと発表した。
(引用元:PR TIMES)
このイベントは、株式会社電通などが共同で開催する未来の火星旅行をVRで体験できるプロジェクトだ。4月25日から6月28日にかけて、フジテレビ球体展望室「はちたま」をメイン会場として実施された。
(引用元:PR TIMES)
今回のキャンペーンでは、ゆりかもめ沿線の新橋駅や豊洲駅などいくつかの駅と、会場に設置されたポスターのQRコードをスマートフォンで読み込むだけで、NFTとして発行されたデジタルスタンプを取得できる。参加に専用のアプリは必要なく、日常的に使い慣れたLINEのアカウントのみで完結するため、幅広い年代層が手軽に参加できる設計となっている。
(引用元:PR TIMES)
スタンプを2個以上集めると、会場スタッフに画面を提示することで、オリジナルTシャツや無料ペアチケットなどが当たるデジタルガチャに挑戦できる。さらにすべてのスタンプを収集した参加者には、オリジナルのNFTデジタルプレートが付与される。イベント会場への移動という日常的な行動にゲーム要素を加え、参加者の回遊を促す仕組みだ。
イベント会場の賑わいを可視化し、参加者のリアルな動きをデータとして蓄積する。この試みを支えているのは、SUSHI TOP MARKETINGと電通が共同開発したNFT行動証明サービス「みんなのあしあと」である。
これまで、交通機関と連動したスタンプラリーなどの集客施策は数多く存在した。しかし、紙の台紙や単なるスマートフォンの画面提示では、参加者がどのような順番で駅を巡り、どれだけの時間をかけて会場に到着したのかといった連続的な行動を正確に記録することは不可能に近い。
ここでブロックチェーン技術が真価を発揮する。ユーザーが各スポットでQRコードを読み込んだという「現実の行動」は、NFTの発行を通じて改ざん不可能なデジタルデータとして記録される。これにより、企業側は専用のAIダッシュボードを用いて、顧客の動きを直感的に分析できるようになるのだ。
イベントに参加したという履歴が消えないデータとして残ることは、企業が参加者と長期的な関係を築くための強力な土台となる。例えば、過去のイベントに何度も足を運んでくれたファンを特定し特別な案内を送ったり、行動パターンに応じたパーソナライズ施策を展開したりすることが容易になる。
一時的な集客ツールとしてではなく、顧客の行動を資産として蓄積し、持続的なファン育成へと繋げていく。テクノロジーを意識させない手軽なインターフェースの裏側で、企業と顧客のコミュニケーションを最適化するこのアプローチは、あらゆる業界のプロモーション活動を新たな次元へと引き上げていくはずだ。
※本記事のメインパネルは「THE SUNSET OF MARS」 公式サイトより引用しました