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2026.06.05

Web3の定着に「用語の壁」あり。知ったかぶりが市場成長を阻む?

「NFT」や「DeFi」という言葉をニュースで目にする機会が増えたが、「それが何か」を正確に他人に説明できる人は果たしてどれくらいいるだろうか。
実は、多くの人が暗号資産の関連サービスを利用しているにもかかわらず、その根本的な仕組みは十分に理解されていないという実態がある。最新のデジタル技術が社会インフラとして根付くためには、この「イメージだけの表面的な理解」という課題を乗り越えなくてはならない。では、どうするべきか。(文=MetaStep編集部)

「説明できる人」は1割。調査が示す金融リテラシーの危うい実態

2026年4月1日、株式会社Claboは全国の男女1,314名を対象に実施した「NFT・ステーキング・DeFiに関する基礎用語理解度」の調査結果を公表した。

(引用元:PR TIMES

調査対象者のうち、暗号資産をはじめとする何らかの投資経験を持つ人は55.9%と過半数を占めた。しかし、新しい概念に対する実質的な理解度は驚くほど低い。たとえばデジタルアートなどで知名度の高い「NFT」であっても、その仕組みを「人に説明できる」と答えた層はわずか10.7%にとどまっている。

(引用元:PR TIMES

さらに、暗号資産を保有することで報酬を得る「ステーキング」については、人に説明できる割合が9.7%と1割を下回った。最も理解できていない用語として挙げられたのは「DeFi(分散型金融)」であり、23.2%の人がそもそも、内容すら把握していないと回答している。

多くの人が「なんとなく」のイメージで新しい技術に触れているのが実情だ。ステーキングサービスなどを提供する事業者が増える中で、ユーザーがリスクや仕組みを正確に理解しないまま資産を投じている現状は、金融リテラシーの観点から見て非常に危うい状態にある。

Claboはウォレットの復旧やセキュリティ対策、暗号資産に関する無料相談窓口を設置しており、詐欺などのトラブルに対しても警察や消費者ホットラインと並ぶ形でサポートを提供している。これは、仕組みを理解していないユーザーがいかにトラブルに巻き込まれやすいかという現場の強い危機感の表れでもある。

知識不足を個人の責任としない。ギャップを埋めることが市場成長の条件

この調査結果から浮かび上がるのは、テクノロジーの進化スピードに対して、一般利用者の知識が全く追いついていないという歪な現状である。

Web3やブロックチェーン技術は、これからの新しい経済活動を支える重要な基盤として期待を集めている。しかし、YouTubeやSNSに依存した情報収集が主流となる中、専門的な用語がバズワードとして独り歩きし、リスクや本質的な価値が置き去りにされてしまうケースが多い。どれほど優れた技術やサービスが開発されても、利用者がその中身を理解せずに参加している状態が続けば、予期せぬ損失や詐欺といったトラブルが多発する可能性が高い。安全な取引環境が損なわれれば、結果として市場全体の健全な成長が阻害されてしまう。

また、理解を伴わない投資行動は、市場の不必要な混乱を招く原因にもなり得る。利用者が「なぜその技術に価値があるのか」を理解できれば、短期的なトレンドに一喜一憂することなく、長期的な視点でプロジェクトを応援する安定したエコシステムが形成されていくはずだ。

これからの関連企業に求められるのは、単に新しいプラットフォームや投資商品を提供することではない。難解な技術用語を分かりやすい言葉に変換し、ユーザーが安全に利用できるような教育コンテンツや直感的なインターフェースを同時に提供する努力だ。利用者の知識不足を個人の責任として放置せず、事業者側が金融リテラシーの向上を積極的に支援する姿勢が問われている。

最新のテクノロジーが広く社会に定着するインフラとなるためには、技術力と同等に「正しく伝える力」が重要になる。企業と利用者の間にある知識のギャップを埋める地道な活動こそが、次世代のデジタル市場をより豊かで持続可能なものへと育て上げていくだろう。