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  3. 【連載】あなたの知らないクラスターの世界〜クラスターステーションDX編

JMP(JapanStep Media Project)パートナー企業として、『MetaStep』創刊時よりクラスター株式会社と共創している連載あなたの知らないクラスターの世界」。前回の記事掲載から少し時間が空いたが、その間、clusterは大きな変化を遂げていた。設立10周年の節目にビジョンを刷新し、新たな施策を次々と打ち出したのである。今回はその真相に迫るべく、クラスターに寄稿を依頼。開発責任者のとみね氏へのインタビューも実施頂いた。クラスターの「中の人」の本音とは。(リード文=MetaStep編集部/本文=クラスター 佐久間楓)

あなたが知らないところで、clusterは変わっている

現在のクラスターのBtoB事業の売上構成は、産業DXが約6割、教育が約3割、プロモーションを含むエンタメが約1割。従来のクラスターのイメージである「バーチャルイベント」などの企業プロモーション領域は売上全体の1割ほどにとどまり、残りの9割を新事業の領域が支えているのが現在の姿だ。

産業DX分野では、重工業や製造業の現場課題を仮想空間で解決する事例が着実に積み上がっている。ごみ焼却プラントのバーチャル化や、車両CADデータの原寸大再現など、活用範囲は実に幅広い。教育分野における導入機関も800校を超え、学校行事や探究学習の場としても定着しつつある。

しかし、経営の軸は創業当初から揺らいでいない。BtoB領域で稼ぎ、その収益をプラットフォームの環境構築へ再投資する。これが現在のclusterの成長を支えるエコシステムだ。

「バーチャル経済圏」から「共創空間のOS」にビジョンを刷新した本音

設立10周年を迎えたクラスターは、この節目にビジョンを刷新した。従来の「バーチャル経済圏のインフラを作る」から、「あらゆるヒト、モノ、技術をつなげる共創空間のOSをつくる」への大きな転換。代表の加藤直人は「バーチャル経済圏というワードでいいんだろうかというモヤモヤがあった。もっとすべてを内包するようなものを目指せないかという感覚があった」と、その背景を明かした。AIが社会インフラとして定着していく時代、人間に最後に残る武器は「クリエイティビティ(創造性)」であるという確信が、この新ビジョンを生んだという。

一方で「人類の想像力を加速する」というミッションは変わらない。その舞台をバーチャル空間に限定せず、現実世界までも内包した、より広大な場所へと拡張したのである。
変わらないこだわりとして加藤が掲げたのは「ボタン一個で使えるくらい簡単・直感的」であること。徹底的にハードルを下げることへの執着は創業以来ぶれていない。

クリエイターが豊かになる支援を継続的に実施

新ビジョンの発表を受け、開発責任者のとみねが示したのは、クリエイターに向けた具体的な環境整備の施策だ。軸となるのは「誰でも簡単に空間をつくれる」と「空間の活用の幅が広い」という2点。

直感的に空間を制作できる「ワールドクラフト機能」では、テンプレートから制作を開始できるなど「つくりやすさ」を底上げする改修を進行中。AIを活用し、ツール学習のハードルを徹底的に下げることにも取り組む方針だ。さらに、4月からはプレミアム機能の先行トライアルも開始される。シリアルコード形式のチケット機能など、これまで法人向けに社内で培ってきた仕組みを、一般クリエイターにも開放する試みだ。

また、4月1日から9月30日までの期間限定で、Vポイント還元率アップキャンペーンも開催。クリエイターに還元されるVポイントがアップすることで、活動の収益性向上にもつながる施策だ。

開発責任者 とみね氏インタビュー


今回発表された数々の施策にある真意を深掘りすべく、開発責任者・とみねにインタビューを実施。なぜ今、あえてクリエイター向けの施策を打ち出すのか、その本音に迫った。

Q1. 今回のイベントで最も伝えたかったメッセージは何でしたか?

とみね 一番大きなところは、加藤も話したように、まだまだ cluster は走り続けていくというメッセージです。メタバースが死んだという市況に対し、不安になる人もいる中で、「そうではないよ」とお伝えしたかったのが大きいです。

Q2. 産業DXや教育で実績を積んできた今、なぜこのタイミングでクリエイター向けの施策を強化するのでしょうか?

とみね cluster のパワーの源泉だからです。産業DX・教育といった、一見関係ない業種に対してトライできているのも、Cluster Script や Creator Kitといったユーザーの皆さんと磨いてきた空間制作ツールと、同期的に空間を楽しめる体験がベースにあるからだと考えています。今後も各法人事業に留まらず、まだ見ぬ新たな領域で空間メディアの活用を広げることがビジョンの実現に必要だと思っております。

Q3. 法人向けに磨いてきた仕組みをクリエイターに開放することで、clusterはどう変わると思いますか?

とみね クリエイターの皆さんが新たな武器を手に入れることになるので、これまでなかった使い方やコミュニティが現れることに期待しています。新しい cluster や空間メディアの価値が生まれると嬉しい限りです。

Q4. 「誰でも簡単に空間を創れる」と「活用の幅を広げる」、この2軸を進める理由はありますか?

とみね clusterという空間をメディアとして活用する体験自体が、世の中では特殊な体験だと思っています。空間を創ること自体のハードルも、依然として高いのが現状です。iPhoneで動画撮影が身近になったように、空間を創る体験がより身近になるべきだと思っています。一方で、単にそれだけでは世の中で活用されるシーンも限定的で、使われるシーンも一部の層に限られてしまうことを危惧しています。ビジネスシーンも含めて、空間メディアが世の中の問題を解決できるケースの幅を広げていくことで、世の中で当たり前の存在になるよう挑戦していきたいと考えています。

Q5. AIが導入されることで、clusterで活動するクリエイターの体験はどう変わると考えていますか?

とみね 作業負担が軽くなった上でやりたいことができる体験になると思っています。ものをつくる楽しさはどこまで行ってもクリエイターのものであり、辛い部分や難しかったところを解消してくれるパートナーとなるというのがclusterにおけるAIの立ち位置です。

Q6. ClusterCupを通じて、次世代のクリエイターにどのような体験をしてほしいですか?

とみね 参加者にとっての「きっかけ」になることがとても素晴らしいと感じています。自分の人生を自分で変えてみるような経験をしてもらえたらと思っています。

Q7. 「共創空間のOS」というビジョンを、クリエイターにどう受け取ってほしいですか?

とみね ある種遠い理想でもあるので、「社長は最近そういうことを考えているんだな」くらいに思ってもらうだけで十分だと思っています(笑)。その上で、空間をつくること自体が様々な共創的な経験・体験を含むことは、cluster ユーザーの皆さんがよく知っていると考えています。技術的にはアップデートしていくべき部分もありますが、人と人が繋がって産み出される熱量は実証済みです。これからも「共創空間を体験できる場としてアップデートされていく」と感じていただきたいです。

これからのcluster

今回の発表は、まだはじまりに過ぎない。どの施策においても一貫しているのは、「クリエイター」と「その作品を体験する人」が心地よく活動できるようにするための環境づくりだ。clusterがどんな場所になっていくかは、ユーザーと共に一緒に作り上げていきたいと考えている。BtoBで得た知見をユーザーに還元していく、クラスター株式会社の新たな挑戦を見守っていてほしい。