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  3. 知ってもらうことが、すべての始まり~【連載】35歳からクリエイターの夢を実現!TAKUROMANから学ぶセルフマーケティング術(第8回)

35歳にして突如クリエイターになることを誓い、行動に移し、夢をかなえたという異色の経歴を持つTAKUROMANさん。MetaStep(メタステップ)編集部はTAKUROMANさんに、クリエイターを目指す学生や若手クリエイター向けコラム執筆を依頼。TAKUROMANさんがクリエイターを目指す波乱万丈な日々の中で学んだ、クリエイターとして生きていくために必要なノウハウをお届けするコラムです。

8回目となる今回は、本格化するクリエイターとしての動きにフォーカス。プロジェクト参加やイベント出演を通し、その活動幅を広げていく中で、TAKUROMANさんは何を感じとったのか?ぜひお読みください。

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この連載の流れ

前回は、2021年に初参加したクリエイターEXPOで、どのようにしてゼロから仕事を受注するに至ったかを振り返りました。今回は同じく2021年から、NFTを中心にデジタルアートの世界で活動が広がっていった経緯をお伝えしたいと思います。

前回は、NFTを中心にデジタルアートの世界で、活動の幅がどのように広がっていったのかをお伝えしました。今回は、クリエイターにとって避けて通れない要素である「知ってもらうための活動」についてお伝えします。

クリエイターとして多くの人に知ってもらい、ファンになってもらい、仕事につなげていくためには、作品そのものの魅力だけでは十分とは言えません。そこには、いわゆる「知ってもらうための一連の活動」が関わってきます。

この分野は、多くのアーティストやクリエイターが苦手意識を持ちやすい分野でもあります。稀に、作品のクオリティが非常に高く、スポンサーや第三者が一連の認知促進活動を代行してくれるケースも存在するかと思いますが、多くの場合はそうはいきません。また、そのような場合でも「どのような仕組みで広まっているのか」を理解しているかどうかで、将来的な選択肢は大きく変わりますから、知っておいて損になることはありません。

ライブペイントの報告記事に使用した画像

知ってもらうための活動とは何か

一般的な言葉では
マーケティングとセールス(営業)といわれるものです。

マーケティング:セールスの前段階にあたる、認知を広げるための行動
セールス:顧客との個別のやりとりや契約に関わる行動
マーケティング活動は、さらに次の3つに分けて考えることができます。

1.広告宣伝活動:自分でお金をかけて行うもの
2.SNSでの発信:自分の時間を使って継続的に行うもの
3.広報活動:第三者から発信してもらうもの

一方、セールス(営業活動)は、
顧客との個別のコンタクトから、条件交渉、契約、アフターフォロー、リピート取引までを含みます。

要するに、十分な数の人に自分のことを知ってもらうきっかけを作り、営業を通じて仕事につなげていくということです。

「認知度」だけでは足りない

認知において、もうひとつ重要なのが関係性の熱量です。

ただ名前を知っているだけの人、SNSで何度もやり取りしている人、作品を購入したことのある人。
それぞれ、関係性の熱量や深さが異なります。

友人関係に置き換えてみるとわかりやすいかもしれません。大勢で一度だけ会ったことのある人と、一対一で何度も時間を過ごした友人。後者のほうが、関係性の温度は高いはずです。認知はゴールではなく、
関係性を少しずつ深めていくための入口ともいえるのです。

実体験からの具体例

ここからは、僕自身の活動経験をもとに、いくつかの例をご紹介します。

1.2021年「ART LIVE 2021」

ライブペイントパフォーマンスからNFTオークションまでを一連の流れとして行いました。
SNSでの積極的な発信、メディアへのプレスリリース、主催者による告知、SBINFTによるオークション告知など、複数の発信が重なり、多くの人に伝わる機会が生まれました。現在でも、オンライン検索をすると複数の記事を確認することができます。


ART LIVE2021の出演報告記事に使用した画像

2.2021年 個展「アノヒトゴミハ、タカラモノダッタ」

プレスリリースを配信し、港北経済新聞様に取材いただき、Yahoo!ニュースにも掲載され話題になり、多くの来場者が訪れました。

3.2024年 下北沢「想いやり展」

作品発表やライブペイントパフォーマンスを実施し、事前のSNS発信や主催者の告知によって、地元メディアに取り上げられました。

下北沢「想いやり展」の報告記事に使用した画像

これらに共通しているのは、作品発表(あるいはイベント)と「知ってもらうための活動」がセットになっているということです。

活動におけるTips

こここでちょっとしたコツというか、情報発信において心がけた方がよいと思う裏技をご紹介しますね。

1.最高品質の写真を使用する

現地を実際に訪れた人を除き、多くの人はウェブサイトやSNSといったデジタル画面を通じて見ることになります。つまり、写真や動画の質が非常に重要ということです。ECショップ等での販売経験のある方などはよくお分かりかと思いますが、写真の品質によって商品の売れ方は異なりますが、それと同じです。そのため、僕は大きなイベントにおいては、プロのカメラマンに依頼し、静止画や動画の撮影をしてもらっています。費用はかかりますが、あとからどれほど多くの人に見られるかと考えると、その方がよいとの考えからです。

2.ひとつのイベントで最低3回は発信できる

同じイベントでも、開始前、当日、実施後、で3回は話題にできます。その都度、発信することで一定の間隔を置きつつ情報を残していけるので覚えてもらいやすく、また、あとから見つけてもらえる可能性も高まります。

3.熱量を高めるには、一対一でのコンタクトが一番

マーケティング活動を通じて知ってもらえたら、次はセールスに移ります。単価の低いものを購入する場合では個別のやり取りは必要ないかもしれませんが、ある程度の金額以上のもの、たとえば作品の制作依頼やイベント出演などに関しては、一対一のやりとりから「こんなこともできるんだね」とわかってもらい発注につながることも多いです。なので、できるだけ一対一のやりとりをする方がよいと考えています。この部分を苦手とする人は多いと思いますが、一番よいのは直接会うこと、距離の制約がある場合はオンラインで話すこと、それでも難しい場合はメールやDMのやりとりをすることです。非常に古典的でもありますが、コロナ禍を経て、人と直接会うことの価値は逆に高まっていますから、できるだけ個別対応できるとよいでしょう。

僕が本質だと思っていること

マーケティングや情報発信について、僕が特に大切だと感じていることを整理しておきます。

1.人は、知らないものは買わない

どんなに良いものであっても、その背景や由来がわからなければ、人は簡単には手に取りません。キティちゃんのぬいぐるみが選ばれるのは、すでに多くの人がその存在を知っているからです。もし、ほとんど誰にも知られていないキャラクターだったら同じように選ばれるでしょうか。

2.波を作り続ける

発信を始めると、閲覧者は少しずつ増えていきます。
作品発表や個展開催などの出来事があれば、そこをきっかけに一時的な盛り上がり、いわば「波」が生まれます。イベントが終わり、発信が減れば、その波が落ち着いていきます。ここで大切なことは、ひとつの波が終わりかけたら、次の波を用意することです。前回より少しだけ大きな会場にする、内容を少しアップグレードするなど、変化を加え、波を途切れさせないことが重要です。

3.ブランドは人の心の中に宿る

情報を増やすこと自体が目的ではなく、
「この人はこういうクリエイターだ」と認識してもらうことが大事です。
そのためには、自分らしさや他者との違いを意識し、発信に一貫性を持たせることが有効です。僕の場合は、覚えてもらいやすいように、35歳からゼロで活動を始めたこと、偶然性を重視した制作スタイル、移動時間に描いていたことがライブペイントにつながったことなど、自分なりの特徴を意識して発信しています。

4.必ずマッチングはある

人がクリエイターを応援したくなる理由は様々です。
作品そのものが好きな場合もあれば、クリエイター自身の考え方や境遇などに共感する場合もあります。どこで誰とつながるかは分かりません。だからこそ、あきらめずに発信を続けることが大切です。

5.発信は蓄積されていく

情報発信を続けることで、デジタル空間には記録が残っていきます。そのうち、名前を検索すると過去の記事や活動履歴が多く出てくるようになります。ネット上に残った情報は、その後長きにわたりたくさんの人に届く可能性があります。

まとめ

まとめると、知ってもらうための活動とは、作品やあなた自身の魅力を紐解きわかりやすく伝え、興味を持ってもらい、より深い関係性を作っていくことともいえます。知恵を絞り、さまざまな媒体で発信をしていくため、ある意味では、それ自体が表現活動といえる側面もあります。簡単ではありませんが、正しくおこなうことで、よい縁につながることがあります。ぜひご自身に合ったやり方を模索してやってみてくださいね。

今回は、クリエイターにとって欠かせない
「知ってもらうための活動」についてお伝えしました。

基本的には認知を高めていくための派手な近道はありません。けれど継続して発信していくうちに次第に蓄積され、人の記憶に留まっていくものだと思っています。

次回は、僕の人生の転機、クリエイターとしての転機になったできごとがあり、それについてお伝えしたいと思います。(第9回へつづく)