Web3・メタバース・XRの社会実装とビジネス活用はいまどこまで進んでいるのか。当連載「未来を導く知の羅針盤」では、業界を牽引する経営者・専門家など、有識者16名の証言から、その現在地と未来の可能性を探る。

株式会社アウ 取締役COO
簑田 葉月さん
Aww(アウ)について
日本発のバーチャルヒューマンとAI技術のリーディングカンパニー。バーチャルヒューマン「imma」をはじめ、多様なデジタルキャラクターを展開し、広告・ファッション・メタバース領域で活躍している。Stability AIやNVIDIAとの技術連携を通じて生成AIなど先端技術も導入。人の可能性を拡張する表現に挑戦している。
「発信力や存在感はリアルなインフルエンサーと変わりません」。アウ(Aww)取締役COOの蓑田葉月さんはAIと3DCGが生み出す「人間に限りなく近い」存在の未来に確かな手応えを感じている。Awwは、アジア初(※)のバーチャルヒューマン「imma」を中心に、生成AIと3DCGを統合したリアルタイムコミュニケーション技術で、デジタルとリアルの境界を越えつつある。
「AIの返答は、ただの情報提供ではなく、その人らしさが宿ることが求められます」。同社は、感情や個性を備えた「人格あるAI」を設計。「imma」においてはCOACHの店舗での接客体験で社会に実装。さらにNVIDIAとの連携により、生成AIとバーチャルヒューマンの融合も進めている。2025年4月のNVIDIA GTCでは、「VT-X」シリーズに組み込まれたオムロン株式会社のバーチャルヒューマン「Ria」のデモンストレーションが行われた。Awwが次に仕掛けるのが、web3を活用した分散型IPプロジェクト「MIRAI」だ。サンフランシスコを拠点とするAI×web3領域のスタートアップ米HologramLabs(ホログラム・ラボ) と共同で開発するこのプロジェクトでは、AIバーチャルヒューマンがトークンエコノミー内で自律的に成長していく。
「MIRAIでは、AIがユーザーと共創しながらIPとして進化していく構造を採用しています。中央集権的に操作されるのではなく、分散的に共に育てていく点が新しい。immaで得た技術やスケーラブルに展開できます」と簑田さんは語る。

MIRAIはバーチャルヒューマンIPの新たな進化形として誕生した同社のプロジェクトだ
MIRAIトークンのプレセールでは36時間で7万6831SOL(約20億円超)を調達するなど、グローバルの注目度も高い。「web3がもたらす『関係性の透明化』が、人格AIとの信頼形成にもつながると考えています」(簑田さん)。AwwはバーチャルヒューマンとAIの融合を進め、対話型AIの開発や多言語対応、リアルタイムの表情・動作生成などを最新技術やパートナー企業と連携しながら強化している。
「単なるAIではなく、バーチャルヒューマンのインターフェイスがあることで愛着や共感が生まれることを大切にしています」(簑田さん)。広告やエンタメにとどまらず、教育、医療、公共空間といった領域への展開も視野に入れるAww。「imma」をはじめとするバーチャルヒューマンは、単なるキャラクターではなく、社会と共に進化する存在として新しいパートナーシップの形を提案している。

大阪・関西万博開会式では、バーチャルヒューマン「imma」が司会進行役として登場した
(※)Aww調べ (素材提供:Aww)
ー 日本再興のヒント ー
AIの進化がバーチャルヒューマンの未来を大きく変えた。人格あるAIに好機あり