2025年の新春企画として、業界をリードする皆様にインタビューを敢行。第7回はHIKKY COO 喜田 龍一氏に、メタバースプラットフォームを取り巻く状況や今年の展望などについて伺いました。
株式会社HIKKY COO
喜田 龍一
メタバースは幻滅期にあると言われていますが、そこを超えて、XR技術の価値ある形での社会利用が進みつつある年であったと感じています。
HMDの更なる進化による豊かなユーザー体験や、HMDを用いないでも体験可能なイマーシブなコンテンツが多く生まれてきており、それぞれの事業体が自サービスに活用するための具体的な選択肢としてXR技術を認識してきた実感を持っています。
引き続きバーチャルマーケットやVketRealといった自社イベントの取り組みを行ってきました。
今年はそれに加え、すでに提供していたブラウザメタバース開発エンジンであるVket Cloudの新たな展開として、LINE上でメタバースや3Dゲームを展開するためのパッケージの提供を開始し、非常に反響をいただいております。
また、VketRealでは裸眼立体視モニターなどを利用し、HMDを活用しなくてもXRコンテンツを体験する場を提供し、数多くの人に気軽にイマーシブな体験を提供することも可能にしてきました。
参入すべき新たな領域、異なる世界として、「参入すべきもの」として捉えられてきたメタバースですが、むしろ、既存サービスにXR技術を組み込むことでその価値を高めるような、自領域に「取り込むべきもの」としての取り組みが増えてきており、本格的な社会利用における転換点に至っている印象です。
XR技術が顧客にこれまでにない価値を与えられることが広く知られてくれば、これまで以上にその流れが加速していくのではないかと考えています。
2024年に数多く仕込まれているだろう、XR技術を「取り込んだ」サービスがお目見えしていくだろうと考えています。弊社が仕込んでいるものもあり、それらによってXR技術の社会的なプレゼンスが大きくなっていくことを予測、というか期待しています。
こちらについては現状あまりお話できることはありませんが、これまで以上に魅力的なイベントやサービス、コンテンツを提供することを予定しているほか、上記で触れているような、XR技術を今我々が利用している世界の中に「取り込んでいく」ような取り組みを多数用意しております。
また、HMDをつけなくてもXRコンテンツを楽しめて、魅力に気付いていただけるようなサービス展開や、AIを活用した展開なども予定しています。
少しずつ現実的な手段と認知されてきたXR技術やメタバースですが、より幅広く社会に受け入れられるよう引き続き全力で突き進んでいきたいと思います!