「Fortnite(フォートナイト)」「VRChat」など、人気のオンラインゲーム・メタバースには、今や数百万~数億人規模のユーザーが集まっています。大人も子供もゲーム課金は当たり前。この巨大市場に多くの企業もビジネス可能性を感じ、参入しました。自社のIPを活用したイベントやリアルの店舗の再現などアプローチも徐々に確立しつつあるなかで、企業の勝ち組・負け組も分かれてきました。成功する企業は、ファンを獲得し新たな施策に再投資。逆にうまくいかない企業は、撤退しています。
では、成否を分けるのは何なのでしょうか。今回、MetaStep(メタステップ)編集部がお話を聞いたのは、企業のメタバース支援や3DCG制作・販売で数々のプロジェクトを手掛ける株式会社V(ブイ)の代表取締役社長 藤原 光汰さん。そこには先見の明、そしてメタバースユーザーへの「深い理解」がありました。
株式会社V 代表取締役兼CEO
藤原 光汰(Alice)
AIレシピ提案アプリを開発するスタートアップを共同創業。その後、株式会社バンクに入社。即時買取アプリ「CASH」と後払い旅行サービス「TRAVEL Now」の立ち上げを担当したのち独立。2019年に株式会社Vを創業後、複数のコンシューマー向けサービスを開発。人気ゲームタイトルでアジア最大ユーザー数のコミュニティを運営。2024年9月には株式会社Vの第三者割当増資を実施。ソニーグループ、スクウェア・エニックス、伊藤忠商事などを引受先として資金調達を行い、日本の「メタバース」新時代をリードする存在の一つとなっている。
総務省の世界のメタバース市場規模(売上高)の推移及び予測によると、2021年に4.2兆円まで拡大を続けており、2030年には78.8兆円規模になることが見込まれています。
つまり、バーチャルアイテムなどの「1商品」が年間で数百万円単位で売れている状況にあります。そこに商機を見出し、世界中の企業も続々と参入しています。
弊社は、さまざまなメタバースプラットフォームにコミュニティや販促基盤があり、ユーザートレンドの認知度も高いことから、企業のメタバース事業立ち上げ支援や、コンテンツ施策を支援しています。自社内でCG制作体制を整えているため、コンサルティングと制作、納品までワンストップで行っています。
3DCG制作の受賞歴
企業と協力してVRChat向けの高価格帯のアバターも制作・販売。大きな反響があった
制作したデータは、各メタバース向けに変換して販売します。ZEPETO(ゼペット)、Roblox(ロブロックス)はゲーム内マーケットプレイスにて販売。VRChatはプラットフォームの中にEC機能を持っていないので、BOOTH(ブース)といった他のECサイトで販売しています。メタバース毎に、アバターの頭身や世界観のテイストが違うことを理解した上で、販売先を選択しています。アニメ等のIPを取り扱う事もあるため、ファンが満足できるように制作にはこだわりを持っていて、元となる服があればクリエイター陣と一緒にリアルで取材し、入念なチェックを行っています。