笹団子を食べると姿が消え、柿の種で足が速くなる。新潟の特産品が「魔法のアイテム」として機能する陣取り合戦が、世界で5億人がプレイするメタバース空間で繰り広げられている。
自治体主導の「地方創生メタバース」は、観光案内にとどまり、若年層の関心を十分に引きつけられていないケースが多い。こうした課題に対し、実在する街の精巧な3Dデータとゲーム性を融合させ、地域の魅力を“体験したくなるコンテンツ”へと転換する試みがリニューアル公開された。仮想空間の熱狂は、地域の価値をどう変えるのか。(文=MetaStep編集部)

(引用元:PR TIMES)
2026年2月27日、ゲーム・メタバース事業を手掛ける株式会社モンドリアンは、人気オンラインゲーム『Fortnite』において、オリジナルゲーム『COLOR CLASH -Niigata Furumachi Refuru-』をリニューアル公開した。
本コンテンツの土台となっているのは、国土交通省が主導する3D都市モデル「Project PLATEAU」のデータだ。新潟市の中心部である複合施設「古町ルフル」や周辺の商店街がメタバース上にリアルに構築されており、プレイヤーは最大10人(5対5)に分かれて、街中のカラータイルを自チームの色に染め上げるアクションゲームを楽しむことができる。
(引用元:PR TIMES)
このゲームの舞台は、一昨年に公開された初回プロトタイプのマップをベースにしている。リニューアルにあたって、最新のAI技術を駆使してビジュアル面を全面的に刷新し、実際の街を走り回るような圧倒的な没入感とより惹きのあるプレイ環境へと進化を遂げた。
(引用元:PR TIMES)
さらに特徴的なのが、新潟の特産品を「特殊能力アイテム(バフ)」として実装した点にある。笹団子で身を隠し、柿の種で移動スピードを上げ、佐渡のトキの力で空を飛ぶ。さらに商店街の中心には「佐渡金山の小判」が置かれ、これを叩き続けることで一発逆転のチャンスが発生するギミックも用意されている。地域の食や文化が、単なる展示物ではなく、ゲームの勝敗を左右する重要な戦略要素へと転換されているのだ。
メタバースによる地域創生の失敗例は、現実の街をそのままデジタル上に「作ること」が目的化し、「そこで何をするのか」という体験設計が欠ける点にある。
モンドリアンのアプローチは、都市の3Dデータを単なるジオラマとして終わらせない。そこに『Fortnite』という強力なエンターテインメントのルールを乗せることで、街そのものを「プレイアブル な資産」へと再定義している。プレイヤーは対戦に熱中する中で、自然と新潟の街並みや特産品の特性を記憶に刻んでいく。受動的な観光情報とは異なり、能動的な理解が生まれる点が特徴だ。
(引用元:PR TIMES)
同社はゲーム内イベントや看板掲出を通じて、地元企業や行政、教育機関との連携も進める。企業向けのPR枠にとどまらず、学校の教育カリキュラムへの導入や住民団体とのコラボレーションなど、多様なプレイヤーが柔軟に参画できる枠組みを用意。これはシステムを「作って終わり」にするのではなく、メタバースをハブにして地域の関係人口を増やし、新たなビジネスチャンスを生み出す持続可能なエコシステムの構築を目指すものだ。
デジタルツインの街が、世界中のプレイヤーを惹きつける「遊びの場」へと変わる。地域資源をエンターテインメントとして再編集するこの手法は、日本全国の自治体が持つ隠れた資産を世界に向けて輝かせる、次世代のシティプロモーションの有力なモデルとなりそうだ。