1. MetaStep TOP
  2. ビジネス活用を学ぶ
  3. 遊びを学びに。メタバースで挑む地方創生

休日の午後、子どもたちは画面の向こうに広がる立派な城郭に夢中になっていた。だが、彼らが駆け巡っているのは架空のファンタジー世界ではない。かつて自分たちの街に実在し、今は失われてしまった「地元の歴史遺産」だ。
世界中で数億人がプレイする大ヒットゲームを、単なる娯楽から「社会課題を解決するツール」へと反転させる。そんな魔法のようなプロジェクトが今、全国の自治体で熱狂を生んでいる。ゲーム・メタバース事業を手掛ける株式会社モンドリアンが2026年2月より本格始動させた新パッケージは、仮想空間の熱狂を現実の学びや地域参画へと鮮やかに変換する、地方創生の全く新しいキラーコンテンツだ。(文=MetaStep編集部)

3大プラットフォームを活用し、メタバースとリアルを融合


(引用元:
PR TIMES

2026年2月より本格提供が開始された本パッケージは、Fortnite(フォートナイト)、Roblox(ロブロックス)、Minecraft(マインクラフト)の3大メタバースプラットフォームを活用し、自治体が抱える地域課題の解決を図るワンストップサービスだ。

最大の特徴は、デジタル空間でのゲーム体験と物理的なリアルイベントを密接に連動させている点にある。例えば防災教育において、Roblox上に構築されたバーチャル防災訓練『5-Minute Escape』では、大阪の商業施設で開催されたリアルイベントと連動し、500人以上の親子がゲームを通して命を守る行動を学んだ。

(引用元:PR TIMES

また、大分県大分市の事例では、焼失した「府内城」をFortnite上で復元。歴史的建造物を舞台にした陣取りバトルやスタンプラリーを実施することで、若年層が地域の歴史に触れる自然な導線を構築している。

「防災」「歴史」「交通安全」といった分野は、従来であれば子どもに敬遠されがちなテーマだ。しかし、教育と娯楽を組み合わせた「エデュテイメント」設計で、これらのテーマを子どもたちが自ら参加したくなるコンテンツへと昇華させているのが同社の強みだ。

そして、プラットフォームの選定からコンテンツ開発、そして当日のイベント運営までを一気通貫で担うことで、メッセージ性が高く、確実に集客につながる体験設計を実現している。

「作って終わり」からの脱却。地域にノウハウを残す持続可能性

このパッケージが地方創生ビジネスにおいて画期的なのは、一過性の集客やイベントの成功をゴールとせず、「地域にノウハウと産業を残すこと」を構造的に組み込んでいる点だ。

これまで、地方自治体が最先端のデジタル施策を行う場合、開発は東京のベンダーに丸投げで、地元にはシステムだけがポツンと残されることが多かった。しかしモンドリアンのアプローチは異なる。

例えば茨城県の事例では、Fortniteのゲーム制作ツール「UEFN」を学ぶプログラミング講座を実施し、地元の若者のITスキル向上を支援している。地元学生やクリエイターを制作や運営のプロセスに巻き込むことで、イベント終了後も地域の人材が自走できるエコシステムを形成しているのだ。

(引用元:PR TIMES

さらに、メタバース空間の熱狂をリアルの経済活動へ還流させる仕組みも秀逸だ。さいたま市では、ゲーム内に再現された街と現実の商業施設を地域アプリのポイントなどで連動させ、若年層の来店促進や消費拡大へとつなげている。また、熊本県玉名市の事例では、Fortnite上に構築したオリジナルマップを活用し、eスポーツ大会の配信やメタバース体験型イベントを展開。プロプレイヤーによるコーチングやゲーム業界の職業体験プログラムも実施し、関係人口の創出や来訪促進につなげている。


(引用元:PR TIMES

メタバースは単なる「仮想の箱」ではない。そこに人を集める「ゲームの力」と、現実世界を行き来させる「リアルな動線」が組み合わさった時、初めて強力な社会インフラとして機能する。ただ知識を「正しいこと」として教え込むのではなく、「楽しいこと」の延長線上に学びと行動を配置する。このエンターテインメント主導の課題解決モデルこそが、これからの地方創生における武器となり、持続可能な地域社会を築くための新たなスタンダードとなっていくはずだ。