1. MetaStep TOP
  2. ビジネス活用を学ぶ
  3. MVJ Labが見据える メタバースロードマップ~知を結集し未来を創る

2026.03.31

MVJ Labが見据える メタバースロードマップ~知を結集し未来を創る

Web3・メタバース・XRの社会実装とビジネス活用はいまどこまで進んでいるのか。当連載「未来を導く知の羅針盤」では、業界を牽引する経営者・専門家など、有識者16名の証言から、その現在地と未来の可能性を探る。

※本記事は『MetaStep Magazine』に掲載した記事を再掲載したものです。その他の記事は冊子でお読み頂けます。
掲載されている情報は2025年8月時点のものです。

MVJ Lab 事務局長
櫻井 佑介さん

MVJ Labについて
一般社団法人Metaverse Japanが設立した世界初(※)のメタバース専門シンクタンク。国内外の産官学と連携し、メタバースの社会実装やルール形成、国際標準の策定を推進。日本から世界へ知見を発信するハブとして機能している。ラボ長の東京大学先端科学技術研究センター副所長 稲見昌彦氏を中心に多様な専門家が参画し、次世代のデジタル社会を支える知の基盤づくりを担っている。

「メタバースを活用して日本の産業競争力をいかに高めていくか」。そんな問いに真正面から向き合う組織がある。世界初(※)のメタバース専門シンクタンクとして設立されたMVJ Labだ。運営するのは一般社団法人MetaverseJapan(MVJ)。その事務局長を務める櫻井佑介氏は、戦略コンサルタントとしての経験を活かし、設立初期から組織づくりと提言活動を両輪で推進してきた。

「MVJ Labは、日本が『メタバース産業立国』となるための研究・発信・連携を担う場です」。そう語る櫻井氏が出発点に据えたのは、2023年にMVJが発表したホワイトペーパーだ。国内外の産官学連携の枠組みを活用し、社会実装に向けた議論や国際標準の策定に取り組むなかで、「日本発の知見を世界へ発信する」という視座が育まれていった。

「ラボには企業や大学、自治体などさまざまな立場の方に参加いただいています」。テーマは、産業メタバース、教育、医療、Web3、実空間メタバースなど多岐にわたる。櫻井氏が強調するのは、「領域横断の知見の循環」だ。学術研究と民間事例、政策形成が一体となることで、日本ならではのメタバースの活用戦略が見えてくる。

研究面では、福祉や教育、企業DXなどへの応用可能性が探られており、「メタバースを通じて社会にどのような価値が生まれるか」という視点が重視されている。政府機関とも連携し、総務省などに向けた現状説明や政策提言も積極的に行っているという。

一方で、視野は常にグローバルにも向けられている。「海外の研究者との共同研究や交流も進んでいます。日本の考え方やアプローチを国際議論に接続することは、今後の存在感につながる」と櫻井氏。そうした国際連携の成果を反映する形で、現在はホワイトペーパーの改訂版を準備中だ。そこでは、「Web4.0」「インダストリアルメタバース」といった中長期的展望が描かれており、2030年には経済が回る「メタバース生活圏」の実現を目指す。

AIなどの急速な技術進化は、こうしたロードマップにも変化をもたらした。「立ち上げ当初は、AIの進化がここまでとは想定していなかった」。だからこそ、MVJ Labは柔軟性と開放性を大切にしている。「何かやりたいテーマがあれば、ぜひラボを使って挑戦してほしい」。そんな呼びかけが、次なる産業の未来を形作る力になっている。

Metaverse Japan の描くメタバースロードマップ

(※)一般社団法人 Metaverse Japan調べ

ー 日本再興のヒント ー
学術研究・民間事例・政策形成が一体となることで、メタバース戦略の展望が開ける