Web3・メタバース・XRの社会実装とビジネス活用はいまどこまで進んでいるのか。当連載「未来を導く知の羅針盤」では、業界を牽引する経営者・専門家など、有識者16名の証言から、その現在地と未来の可能性を探る。
※本記事は『MetaStep Magazine』に掲載した記事を再掲載したものです。その他の記事は冊子でお読み頂けます。

The Sandbox COO 兼 共同創設者
セバスチャン・ボルジェさん
The Sandboxについて
ブロックチェーン技術を基盤としたメタバース・ゲームプラットフォーム「The Sandbox」を展開。ユーザーはLAND(土地)を保有・開発し、3Dアイテムやゲームを制作・収益化できる。独自通貨SANDやNFTを活用し、SQUAREENIXやSHIBUYA109など多数のブランドとコラボしている。
「私たちはただのゲームプラットフォームではありません」。そう語るのは、TheSandboxのCOOで共同創設者のセバスチャン・ボルジェさん。600万人のアクティブユーザーと400以上のグローバルブランドを抱える同プラットフォームは、メタバースの可能性を拡張し続けている。
TheSandboxでは、ユーザー自身がゲームやアセットをノーコードで制作できる。「GameMakerやVoxEdit といったツールにより、初心者でも数分でゲームをつくることができます」。ボクセルアートによるキャラクターやアイテムはNFT化され、仮想通貨SANDでの売買も活発だ。だが、それだけではない。
「我々の最大の強みは、リアルとバーチャルの境界を越えた『体験の設計』にあります」。韓国のコンビニ「CU」では、ゲーム内で取得したクーポンが実店舗の商品と交換できる仕組みを導入。フランスのセレブ、パリス・ヒルトンのNFTアバターは、購入者に現実のVIPライブチケットという特典を提供した。「この循環が、ブランドとの新しい接点を生み出すのです」。

「Alpha Season 5」では「ジュラシック・ワールド」の体験コンテンツを展開した
ブランドにとって、ユーザーとの関係構築はますます重要になっている。「たった5秒のSNS広告ではなく、1時間に及ぶ『ゲーム体験』がブランド価値を定着させる時代です」。TheSandboxの世界では、ユーザーがキャラクターと共にストーリーを進め、自らの意思でブランドと関わっていく。平均プレイ時間1時間以上というデータも、それを裏付けている。
そして同社が注力するのが、日本市場だ。SHIBUYA109とコラボしたファッションコンテスト、JR九州との地方創生企画、大阪発のご当地グルメ「#クリチ」のPR施策など、多様な事例が次々に生まれている。「日本のファンはとても熱心で、デジタルアイテムの購入率も高い。IPとの相性が良く、文化との接続点が深いのです」。

人気IP「進撃の巨人」もブロックチェーンゲームを展開した ©諫山創/講談社
セバスチャンさんは最後に未来への展望を語った。「私たちが決めるのではなく、ユーザーが世界を形づくっていく。そんな民主的な仮想空間が理想です。私たちはその実験を企業やユーザーと共に進めているのです」。メタバースはまだ「未完成」だ。だからこそ、挑戦の余地は大きく、TheSandboxはその先頭を走っている。
(素材提供:TheSandbox)
ー 日本再興のヒント ー
リアルとバーチャルの境界を越えた「体験の設計」が、ユーザーの心をつかむ