ネクストプラン合同会社が運営するメタバース事業「ソーシャルノバ」は、2025年5月24日・25日の両日、ブラウザメタバース展示会「メタコミVol.3」を開催した。アプリやアカウント不要で参加できる手軽さで、延べ4,035人以上の来場者を記録。メタバース未体験者を含む幅広い層の参加を促し、メタバースイベントの新たな可能性を示した。(文=MetaStep編集部)。
(引用元:PR TIMES)
この盛況の最大の理由は、参加のハードルを劇的に下げたことにある。今回の「メタコミVol.3」では、株式会社HIKKYが提供するメタバースプラットフォーム「Vket Cloud」を利用。これにより、参加者は専用アプリのインストールや会員登録といった手間が一切不要で、ウェブブラウザから特設ページのURLをクリックするだけで、手軽に3D空間の展示会場へとアクセスできた。この「ワンクリック参加」という気軽さが、メタバース初心者から経験者まで幅広い層の来場を促した。参加費が完全無料であったことも、多くの人々が足を運ぶきっかけとなっただろう。
イベントの盛況ぶりはSNS上でも確認できる。主催者のソーシャルノバ公式X(旧Twitter)アカウントでは、「閉会式なう!来場者数4035人 です!!!!!!!」といった速報がリアルタイムで発信され、参加者からは「URLクリックするだけで3D空間に入れるのすごい!」など、手軽さと技術に対する驚きの声が多数寄せられた。
(引用元:PR TIMES)
出展内容も多彩で、20以上の企業・団体がブースを構えた。テレビ朝日「六本木メタメタRADIO」の特設ブースや、Vket Cloudの制作事例を紹介するHIKKYの展示、株式会社ROOXによるVR関連アクセサリーの紹介など、個性豊かでテーマ性あふれるラインナップが来場者を楽しませた。また、トークステージでは、VRChatやcluster、Resoniteといったさまざまなメタバースプラットフォームの有識者が登壇し、来場者はチャットを通じてリアルタイムにコメントを投稿。活発な交流が生まれ、メタバースならではの一体感と臨場感が創出された。
「メタコミVol.3」の成功は、メタバース体験のアクセシビリティ向上という点で極めて重要な意味を持つ。従来のメタバース体験には、専用アプリケーションのダウンロードとインストール、高性能なPCやVRデバイスの準備、そしてサービスごとのアカウント作成といった、いくつかの技術的・心理的なハードルが存在していた。
しかし、Vket Cloudのようなブラウザベースのメタバースプラットフォームは、これらの障壁を効果的に取り除く。ウェブサイトを閲覧するのと同じ手軽さで、誰でも直感的に3D空間へとアクセスできるようになったことは、まさにメタバース体験を一部のアーリーアダプターやギーク層から、より広範なインターネットユーザーへと解放する「体験の民主化」と言えるだろう。
「普段メタバースを利用しない層の参加が相次いだ」という事実は、メタバースという新しい体験に対する潜在的な関心層が、決して少なくないことを示唆している。重要なのは、「気軽さ」と「質の高い体験」をいかに両立させるかだ。「メタコミVol.3」は、ワンクリック参加という手軽さに加え、多様な出展ブースやインタラクティブなトークステージといった魅力的なコンテンツを提供することで、これまでリーチできなかった新規ユーザー層の獲得に成功した。これは、メタバース市場全体の裾野を広げる上で、非常に示唆に富む事例だ。
(引用元:PR TIMES)
ブラウザメタバースの技術的進化も目覚ましい。かつては専用アプリに比べて表現力や機能面で劣ると見なされがちだったブラウザベースのメタバースも、Vket Cloudのようなプラットフォームの登場と進化により、リッチな3Dグラフィック表現やインタラクティブなコミュニケーション機能が、ウェブブラウザ上でストレスなく実現できるようになりつつある。これにより、大規模な展示会だけでなく、企業の製品プロモーション、オンラインセミナー、バーチャルショールーム、教育・研修コンテンツなど、より多様な分野でのメタバース活用が従来よりも低コストかつ手軽に実現可能になるだろう。
「メタコミ」の成功は、特定のクローズドなコミュニティに向けたイベントだけでなく、よりオープンで誰もが気軽に参加できる新しい形のメタバースイベントの可能性を提示している。将来的には、リアルイベントとのハイブリッド開催、地域創生を目的としたバーチャル物産展、あるいは国境を越えたグローバルな交流イベントなど、ブラウザメタバースの持つ高いアクセシビリティを活かした、新しい形のコミュニケーションやビジネスの場が次々と生まれてくるはずだ。今回の「気軽さ×体験」というキーワードは、メタバースが特別なものではなく、私たちの日常的なコミュニケーションや情報収集、そしてエンターテインメントのツールとして、より身近な存在へと定着していく未来を予感させる。