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2025.07.16

薬局受付にCGアバター登場!~DXで形づくる次世代型薬局

薬局・医薬品販売業のデジタルシフト支援事業を手掛けるMG-DX。同社が提供する調剤特化型接客AIエージェント「薬急便 遠隔接客AIアシスタント」に、CGアバター版が新たに加わった。従来のロボットアバター版で実証された高い受付利用率と業務効率化効果を維持しつつ、初期費用と設置スペースの課題をクリアし、薬局DXのさらなる普及を目指す。(文=MetaStep編集部)

声かけもUIも進化!CGアバターで変わる薬局の無人受付

株式会社MG-DXは、同社が開発・提供する調剤特化型接客AIエージェント「薬急便 遠隔接客AIアシスタント(通称:エーアシ)」において、従来のロボットアバターに加え、より手軽に利用できるCGアバター版の提供を開始した。薬局の受付業務における人手不足の解消と業務の省力化を目的とした「薬急便 遠隔接客AIアシスタント」は、ロボットアバター版の初期導入実績で、受付利用率74%、受付完了までの平均所要時間45秒というスムーズな運用と現場負担軽減の両立が確認されている。

今回新たに提供されるCGアバター版は、こうした実績のあるサービス品質を維持しつつ、導入のハードルを大幅に下げることを目指して開発された。背景には、初期費用や設置スペースの確保といった物理的な課題があった。CGアバター版は専用のロボット機材を必要とせず、PC内蔵のタッチディスプレイのみで導入が可能。これにより、初期費用を大幅に抑制できるだけでなく、限られたスペースしかない小規模店舗や、短期間・少人数体制でのトライアル導入を希望する薬局にとっても、現実的な選択肢となる。

機能面では、初期費用を抑えながらも、ロボットアバター版と同等のサービスを提供する。無人での受付機能に加え、患者の来店を検知し、適切なタイミングで「受付はこちらです」といった音声案内を行う「声かけ機能」も搭載。これにより、患者が無人受付の存在に自然と気づき、自発的な操作へと繋げる導線を確保する。

CGアバターが加速する薬局DXと非対面接客の進化

「薬急便 遠隔接客AIアシスタント」CGアバター版の登場は、薬局における接客DXのアクセシビリティを大きく向上させる点で重要だ。物理的なロボットを必要としないCGアバターは、導入コストや設置スペースの制約を大幅に緩和し、これまで先端技術の導入に踏み切れなかった地域の中小規模薬局にとっても、遠隔接客AIシステムの導入を現実的なものにする。これは、技術による業務効率化の恩恵を一部の企業だけでなく、より広範な医療現場に行き渡らせる「DXの民主化」と言えるだろう。

また、CGアバターという形態は、メタバースやXRといった先端技術との親和性も高い。物理的な制約を受けないCGアバターは、薬局の店舗内に留まらず、将来的にはオンライン診療のインターフェースとして、あるいはメタバース上に構築されたバーチャル薬局での顧客対応など、新たな医療・健康相談チャネルでの活躍も視野に入ってくる。例えば、利用者は自宅にいながらアバターを通じて薬剤師と相談したり、バーチャル空間で薬の効能や副作用について視覚的に分かりやすく説明を受けたりといった、これまでにない医療体験が可能になるかもしれない。

MG-DXは、「次世代の薬局運営を見据えたAI技術および先端テクノロジーの実装を積極的に進める」としており、今回のCGアバター版「薬急便 遠隔接客AIアシスタント」の提供は、そのビジョンに向けた重要な一歩と言える。単なる業務の省力化に留まらず、収集されるデータを活用した個別最適な服薬指導の実現、予防医療への貢献、あるいは地域医療連携における薬局のハブ機能強化など、より高度な医療サービスの提供を目指す上で、AIアバターは不可欠なインターフェースとなるだろう。薬局現場のDXを加速させ、患者と医療従事者双方にとってより質の高い医療体験を創出するための重要な布石となることが期待される。