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2025.01.06

【独占インタビュー/後編】The Sandbox COOが語る日本戦略~2025年はメタバースのビジネス活用が加速する

MetaStep(メタステップ)は、The SandboxのCOO兼 共同創設者であるセバスチャン・ボルジェ氏に独占インタビューを実施。前編にてThe Sandbox(サンドボックス)の特徴であるエコシステムについて理解していただいたことだろう。後編では、いよいよThe Sandboxの日本戦略やビジネス活用の未来について迫った。(文=MetaStep編集部)

事例が示すビジネス活用の可能性

デジタルリワードとリアルリワードの融合

デジタルリワードとリアルリワードの融合とは具体的にどのようなものなのか。セバスチャン氏はその意味を熱く語る。

 「Sandboxは、企業がユーザーとの接点を深めるための数々の仕組みを提供しています。デジタルリワードとしてのNFTや限定アイテムが用意される一方で、それらが現実世界での特典として利用できることが、新しいマーケティング手法として注目を集めています」

次第に身振り手振りも大きくなり、言葉に熱を帯びる

その代表例として有名なのが、パリス・ヒルトンのプロジェクトだ。彼女のアバター5,555体が販売され、その中に11体限定の「レアアバター」が含まれていた。購入者はこれを使ってThe Sandbox内での特別アイテムとして楽しんだが、さらなる驚きの価値が付与されたのだ。ずばり、現実世界でのVIPコンサートチケットだ。

 「この施策は、バーチャル空間での楽しみに加え、リアルでの特別な体験と結びつけたことで、とても関心を集めました。バーチャルからリアルへ、逆もまた然りですが。この循環こそ、バーチャルを活用した新たな価値につながるのではないでしょうか」

コンビニエンスストア「CU」の事例

韓国の大手コンビニチェーン「CU」は、The Sandboxを用いたマーケティング施策の成功例としてしばしば取り上げられる。キャンペーン内容は、The Sandbox内のゲームをクリアしたユーザーに対して、QRコード形式のクーポンを提供。それを現実の店舗で提示すると、ミルクと引き換えることができるのだ。

「この施策は、ゲーム体験と日常的な購買行動を直結させることができるのかを試みた実験でした」とセバスチャン氏。結果として、3000人以上がクーポンを利用し、対象商品が売り切れる店舗もあったようだ。この成果についてセバスチャン氏は次のように分析する。

「従来の広告キャンペーンではリーチする層が広い分、実際に行動を起こす割合は低くなりがちです。しかし、ゲーム内で多くの時間を費やし、ブランドの『体験』を楽しんだユーザーはより高い関与度を示すことがわかりました」

コスメブランド「INNISFREE」の事例

韓国の人気コスメブランド「INNISFREE」の事例も興味深い。The Sandbox内でのゲーム提供やアイテム販売すると言った取り組みは、バーチャルにリアルを持ち込むと言ったものだが、「INNISFREE」はそれとは逆、現実世界のポップアップストアにバーチャルを持ち込むような先進的な施策を行った。

ポップアップストアでは、INNISFREEの特徴である天然由来成分や製造工程を学べるゲームをPCでプレイできるように設置。ユーザーはその場でゲームを楽しみながら、ブランドへの理解を深めることができた。また、ゲームを体験したユーザーにはクーポンが提供され、ストアでの購入へと誘導された。

「このキャンペーンは非常に大きな成功を収めました。店舗の売上が増加し、Sandbox内で用意した限定アイテムの90%以上が売り切れました。SNSを活用したプロモーションも非常に効果を高めました。ゲームの体験は、ユーザーは感情を共有しやすくなることもわかりました。結果、バーチャルとリアルの両方で話題が広がり、非常に評価の高いキャンペーンとなりました」とセバスチャン氏。

日本国内の活用事例

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