1. MetaStep TOP
  2. ビジネス活用を学ぶ
  3. 大成建設が推進する「建設承認メタバース」~ゲーミフィケーションによる合意形成で円滑に

2024.12.05

大成建設が推進する「建設承認メタバース」~ゲーミフィケーションによる合意形成で円滑に

「IT コンサルティング&サービス事業」と「ビジネスイノベーション事業」の 2 軸でビジネスを展開するフューチャーグループのネイロは2024年10月30日、大成建設が開発を進める次世代業務システム「建設承認メタバース」プロジェクトで、UIおよびUXのコンサルティングを開始したと発表した。ゲーム開発の知見を活かし、3DCGを活用した直感的なメタバース空間での合意形成を可能にする。

BIMをベースに3DCGを活用したメタバースの合意形成を構築

建設業界では 2024 年問題と呼ばれる「働き方改革関連法」による時間外労働の上限規制に伴う諸問題が存在している。この動きを背景に、紙図面の管理や目視確認といったアナログ業務の削減をはじめとする生産プロセスの DX が各所で進められている。 

大成建設は、設計・施工のあらゆる情報を一元管理する次世代システム「建設承認メタバース」プロジェクトを日立グループの日立製作所と日立コンサルティング、GlobalLogic Japanと推進している。建設承認メタバースは、BIM (Building Information Modeling)をもとにデジタルデータで構築したリアルな3DCG空間内を探索し、建物の細部やイメージを確認することで、発注者や設計者、施工者などの関係者間での合意形成を円滑にする狙いだ。

 次世代業務システム「建設承認メタバース」のイメージ 出典:フューチャープレス

アニメーションやフィードバック機能なども用いてユーザーの行動を促進し、資料確認の手間を低減。建設承認までの検討や議論の質を向上させるUI、UXの構築を目指している。

家庭用ゲーム開発やバーチャルライブ事業を手掛けるネイロは、ゲーム開発のノウハウを活用して同プロジェクトのUIやUXのコンサルティングを担う。視認性やアクセシビリティーを改善し、専門知識がない者でも容易かつ直感的に利用できるように改修して直感的な利用環境を提供する。教育コストの低減やシステムの活用増に寄与する。

建設承認で関係者の合意形成を効率化させる仕組みとして、操作誘導に「ゲーミフィケーション」を導入する。ゲーミフィケーションとは、ゲームの思考法をその他の領域に応用する取り組み。機能的で分かりやすいだけでなく、ユーザーの感情や動機、認知過程などの心理的要因を捉えてデザインすることで快適性や反応性を高める。