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2024.08.20

Nianticが発表した新しい3Dツール「Niantic Studio」とは?概要やできることを解説

(引用:Niantic

2024年6月17日、ARゲーム『ポケモンGO』の開発元として知られるゲーム開発企業Niantic社が、3DゲームやXRコンテンツ向けの開発プラットフォーム「Niantic Studio」を発表しました。

WebブラウザベースのAR(拡張現実)開発プラットフォーム「Niantic 8th Wall」開発者向けのビジュアルエディター、およびWebゲームエンジンとして開発され、Web3DやXR(現実世界と仮想世界を融合させる技術の総称)コンテンツを直感的な操作で開発が可能になりました。

本記事ではNiantic Studioの概要や主なできることを初心者にもわかりやすく解説します。3DCGやXR開発に携わる方は、ビジネス活用のヒントにしていただければ幸いです。

Niantic Studioとは?概要やこれまでのツールとの違いを解説

Niantic Studioは3Dゲームや、XRコンテンツを制作できる開発プラットフォームです。専用アプリをダウンロードする必要がなく、一般的なWebブラウザ上で開発が可能な点が特徴です。

NianticはすでにWebブラウザでWebAR開発が可能なアプリケーション「8thwall」を提供しています。しかし、ARコンテンツを制作するためには、主にプログラミングコードが中心のため、プログラミングスキルを持たないクリエイターにとってはハードルが高いものでした。

以下の動画では8thwallの始め方について解説されており、コードを書きながらARコンテンツを制作している様子が紹介されています。

Niantic Studioでは、リアルタイムに作成物を確認できるビジュアルインターフェースを実装しており、直感的なビジュアルエディターを採用することで、幅広いスキルレベルの開発者やクリエイターに対応しています。

以下のNiantic Studioの始め方を解説する動画では、3Dモデルの大きさや配置をマウス操作で設定している様子が紹介されています。操作感としてはUnity(ゲーム開発プラットフォーム)に近い印象です。

Niantic Studioができること

Niantic Studioには物理演算、カメラ操作、照明効果、アニメーション、パーティクル効果(煙や火花などの視覚効果)、音声、ゲームのトリガーなどの豊富なインタラクティブ(ユーザーと作品との間で相互作用を可能にする要素)機能が実装されています。

数回のクリックでこれらの機能を追加できるため、プログラミングの知識がなくても直感的な操作で演出を実現でき、追加した機能はリアルタイムに結果を確認できます。さらに、これらの機能はすべてNiantic Studioに統合されており、別のソフトウェアをインストールする必要がありません。

(引用:Niantic

Niantic Studioにはゲーム開発でよく使われるEntity Component System (ECS) 構造に基づいた新しいゲームエンジンが含まれており、複雑な開発タスクを簡素化するように設定されています。直感的な操作感で3Dシーンを作成しながら、リアルタイムで構築、編集、プレビューが可能です。

さらに、ユーザー視点で制作したゲームをプレイできるプレイモードが利用できるだけでなく、プレイ中に問題点や改善点に気づいた場合はその場で修正できます。

(引用:Niantic

また、高度なXR機能も備えており、顔を認識し、フィルターや特殊効果を適用するフェイスエフェクトの制作も可能です。さらにカメラを通して現実世界を認識し、作成した3Dコンテンツを配置できるワールドトラッキング機能も実装されています。

(引用:Niantic

まとめ

今回紹介したNiantic Studioを活用すれば、プログラミング知識がなくても本格的な3DゲームやXRコンテンツを制作可能です。2024年7月現在はパブリックベータ版として無料で公開されており、8th Wall公式サイトからアカウント登録することで利用できます。

実際に制作されたWeb3Dゲームをプレイすることができるので、どのようなコンテンツが制作できるのか体験してみると良いでしょう。

(引用:Niantic

Web3DやXRコンテンツ制作に携わる方は、ぜひ一度Niantic Studioを体験し、自身のプロダクト開発に活用できるヒントを見つけてください。