暗号資産ウォレットは、web3関連のサービスを利用する際に必要なデジタルウォレット(財布)です。
デジタル資産を保有するための必須ツールであり、その種類も多岐に渡ります。
暗号資産ウォレットの基本的な仕組みや、代表的なウォレットとは?わかりやすく解説します。
(引用:写真AC)
暗号資産ウォレットは、ブロックチェーンに接続して暗号資産やNFTの売買・送受信を行うためのツールです。
多くの人にとって最初に暗号資産に触れる接点は、おそらく「国内の暗号資産取引所で購入する」という場面でしょう。購入したものをそのまま取引所の口座で保管するだけであれば、暗号資産ウォレットはなくても構いません。
しかし、暗号資産でNFTを購入したり、DEXと呼ばれる分散型取引所で運用したり、web3ゲームをプレイするためには暗号資産ウォレットが必要になります。
国内の暗号資産取引所は、ブロックチェーンを活用して運営されている各種サービス(NFTマーケットプレイスや分散型取引所など)に直接接続することが基本的にはできません。
一方、暗号資産ウォレットはそれ自体をブロックチェーンに接続でき、さらにブロックチェーン上で展開されている様々なサービスにも接続できます。
そのため、ブロックチェーン上の各種サービスにおいて暗号資産で支払いをしたり、ある暗号資産を別の暗号資産に交換したりする際には、必ず暗号資産ウォレットが必要になります。
「インターネット上のデジタルの財布」という意味において、暗号資産ウォレットと既存の電子決済サービスは同じように見えるかもしれません。しかし、実際は両者の性質は大きく異なります。
暗号資産ウォレットと電子決済サービスの最も大きな違いは、「資産の管理権が誰にあるか」という点です。PayPayや楽天ペイ、LINE Payなどの主要な電子決済サービスは、事前に日本円をチャージし、アプリ上で決済を行うことができます。
「チャージした日本円をアプリ内で保管している」という点だけに着目すると、暗号資産ウォレットと同じ機能を持っているように見えます。しかし実際は、先ほど述べた「資産の管理権」という点において、この二者はまったく異なります。
多くの電子決済サービスでは、チャージされた資産の「真の意味での」管理権は、ユーザー側ではなく運営企業側にあります。例えば、ユーザーが重大な犯罪を犯し、その保有資産を差し押さえる必要が生じた場合、企業は当該ユーザーの資産を自由に凍結できます。
この特徴は、電子決済サービスに限らず、伝統的な銀行や証券会社などにも当てはまります。彼らはその気になればユーザーの資産をいつでも凍結でき、自由に資産を移動できないようにすることができます。
つまり、実は私たちユーザーは、既存のインターネット上におけるあらゆる資産に対して真の意味での管理権を持っていないということが言えます。
しかし、暗号資産ウォレットの場合は状況が異なります。インターネット上のデジタル財布とはいえ、それを管理できるのはウォレットの保有者であるユーザー本人のみです。
これは、あなたが持っている物理的な財布をイメージするとよりわかりやすいでしょう。物理的な財布は、その中身も含めて自分以外の誰かに管理されることはありませんよね。そして暗号資産ウォレットは、この物理的な財布をそのままインターネット上に再現したものだと考えてみてください。
特定の企業や組織に管理されることなく、保有者である自分だけがウォレットの中身を管理できるということが、多少理解しやすくなるはずです。
暗号資産ウォレットには様々な種類があります。
オンラインで利用する「ホットウォレット」、オフラインで利用する「コールドウォレット」に大別でき、さらに物理的な形状を持つ「ハードウェアウォレット」などに細分化されます。
ここでは、多くの人が利用している「ホットウォレット」を3つ紹介します。
●メタマスク(MetaMask)
●コインベースウォレット(Coinbase Wallet)
●ファントムウォレット(Phantom Wallet)
メタマスクは最も広く利用されている暗号資産ウォレットの1つです。イーサリアムチェーンを中心に、様々なチェーンのサービスに接続できます。
コインベースウォレットは、アメリカの暗号資産取引所Coinbaseが提供しているウォレットです。
ファントムウォレットは、高速取引・低コストに強みを持つブロックチェーン「Solana(ソラナ)」で利用できるウォレットです。
暗号資産ウォレットには様々な種類があるため、目的に応じて使い分けるようにしましょう。
暗号資産ウォレットを扱う際には、いくつかリスクも存在します。
例えば、ハッキング被害に遭う危険性があります。現実世界で財布をスリに盗まれるのと同じように、デジタル上の財布でありながら、ハッカーによって中身を盗まれるリスクがあります。
また、暗号資産ウォレットを利用する際の鍵を紛失するリスクにも注意が必要です。ウォレットを利用する際は、シードフレーズなどと呼ばれる特定の鍵を入力する必要があります。
シードフレーズは多くの場合、12個の英単語で構成されています。これを忘れてしまった場合、たとえウォレットの保有者であっても、二度とウォレット内の資産にアクセスすることができません。
このように、暗号資産ウォレットを利用する際は、気をつけるべき点がいくつかあることは覚えておきましょう。
暗号資産ウォレットは、web3サービスを利用する際の必須ツールです。
ハッキングリスクなどはあるものの、いくつかのポイントを押さえることでそれらは予防 できます。
まずはメタマスクなどの代表的なウォレットを作成し、ぜひweb3関連のサービスに触れてみてください。